まだ公式サイトなどがアップされていないようだが、本年度の札幌芸術賞と札幌文化奨励賞の贈呈式が、11月7日、ホテルニューオータニで行われた。
両賞の受賞者は次のとおり(敬称略)。
札幌芸術賞
小泉のり子(洋舞)
中村 照子(陶芸)
西田 陽二(美術)
札幌文化奨励賞
澁谷 俊彦(美術)
八木 幸三(音楽)
山田 航(短歌)
筆者は、なんと、6人中4人が知り合いということで、会社を抜け出して会場にやって来た。
式では、まず上田市長があいさつ。
「大量生産、大量消費、大量廃棄というスタイルから一線を画し、人々の豊かさとは何なのか、しっかり思いをいたしていかなくてはなりません。今後は、豊かな心を持ち、持続可能な生活、創造性豊かな人々の集まりである大都市であるべきだと私は思います」
文字に起こすとつながりが悪いのは、筆者のメモの取り方が悪いのであって、実際のあいさつは、市長らしさのにじみ出た、通り一遍ではないあいさつだった。
続いて、6人が受賞の言葉を述べ、花束の贈呈を受けた。
以下、あくまで文責は筆者にある。
中村照子さんは道内の女性陶芸家の草分けである。
「ふだん、ろくろの前にすわっているとき以上に緊張しております。アートとは離れたところで仕事を続けてきまして、芸術賞にふさわしいかどうかと思いましたが、これを機会にいっそう励みたいと思います」
西田陽二さんは日展系の洋画家で、損保ジャパン絵画大賞で入賞した経歴もある。
「若いころは絵を描いているだけだったが、文化活動や社会に貢献しなければ自分たちの活動が認知されない、というふうに考えが変わってきた。賞金は同じ志をもつ仲間とともに、きょうは1杯だけビールをいただきますが、使わせていただきます」
澁谷俊彦さんは雪上や水面など自然を生かしたインスタレーションで近年活躍めざましい作家。
「冬の野外アートに取り組み始めて6年。ここまでの道のりは厳しかった。これからも、自分の作品の領域を拡げていきたい。地域性を常に念頭におき、雪国ならではの創造に取り組みたい。挑戦の精神を忘れずにまい進していきたい」
もちろん、皆さん、家族や、支援者への謝辞は欠かしていない。
筆者はここで、のっぴきならない用があって退席したのだが、この後の、山田さんのあいさつがすごかったらしい。
出席していた石川さんのFacebookから引用する。
『自分の育った最寄り駅はアイヌ語の地名から、ニュータウンの名を冠した駅名へと変わってしまった。
それ以来、それが心の空洞になっている。
精神的・文化的スラム。
文学でまち起こしが失敗する理由は、優れた文学作品ほど、その都市への批評・批判精神があるだからだ。
札幌の文化に貢献する事とは、札幌という都市を厳しく批判する事だ。この 空っぽな札幌は、クソだからこそ、面白い!!』
若さだな~。たいしたもんだと思う。
過去の受賞者については、札幌市役所のサイトの、このページがくわしい。
昭和47年度(1972年度)から平成12年度(2000年度)までは、札幌市民芸術賞、札幌市民文化奨励賞という名称であった。
過去の受賞者のうち、このブログに関連しそうな受賞者を挙げてみる。○印は札幌市民芸術賞(札幌芸術賞)、無印は札幌市民文化奨励賞(札幌文化奨励賞)。
昭和47年度 ○栗谷川健一(グラフィックデザイン)
48
49 ○中野北溟(書道)
50 ○小谷博貞(絵画)
51 ○松本春子(書道)
52 ○國松登(絵画)
53 ○小川東洲(書道) 方究会(絵画)
54 ○繁野三郎(絵画)
55 中川清風(書道)
56 ○本田明二(彫刻)
57 ○坂坦道(彫刻) ○栃内忠男(絵画)
58 ○上遠野徹(建築デザイン)
59 ○亀山良雄(絵画) ○大本靖(版画) 松崎染孝(染織工芸)
60 ○畠山三代喜(金属工芸)
61 下沢土泡(陶芸)
62 ○砂田友治(絵画) ○竹岡和田男(評論) 剣持小枝(工芸)
63 ○渡辺伊八郎(絵画) 原賢司(絵画) 加藤秋霜(書道)
平成元年度 ○佐藤庫之介(評論) 原田玉嶺(漆工芸) 戸坂恵美子(染織工芸)
2 ○島田無響(書道)
3 佐藤雅英(写真)
4 ○伊東将夫(絵画) ○藤根凱風(書道)
5 ○谷口一芳(絵画) 國松明日香(彫刻)
6 ○鎌田俳捺子(絵画) ○中野層翠(書道) 西川隆久(写真)
7 ○渡会純价(版画) 小原道城(書道)
8 ○松本瑛子(書道) ○原義行(絵画) 梅津恒見(グラフィックデザイン)
9 中島洋(映像)
10 ○米谷雄平(絵画) ○綿引幸造(写真) 沖中棟舟(書道)
11 ○伏木田光夫(絵画)
12 ○阿部典英(造形) ○八木伸子(絵画)
13 ○尾崎志郎(木版画)
14 ○圓山彬雄(建築デザイン)
15 ○矢崎勝美(美術) ○辻井京雲(書道)
16 ○鬼丸吉弘(美術) 端聡(美術)
17 ○我妻緑巣(書道) ○清水武男(写真) 佐藤浩司(美術)
18 ○岸本裕躬(美術)
19 ○木嶋良治(美術) ○小原道城(書道)
20 ○杉山留美子(美術) 平向功一(美術)
21 ○堀内掬夫(抽象美術) 下沢敏也(陶芸)
22 ○川井坦(美術) 谷口明志(美術)
23 ○竹岡羊子(美術) ○中村(家具デザイン) 伊藤隆介(映像・美術)
24 ○渡辺信(金属工芸) 川上りえ(彫刻)
25 ○阿部和加子(書道) ○荒巻義雄(文学・美術活動) 佐々木秀明(美術)
かっこ内は資料のとおりで、「美術」と「絵画」の違いはなにか、とか、堀内さんだけが「抽象美術」と「抽象」がついているのはなぜかとか、筆者に問われても、困る。
全体的に、美術・書道関係者は、奨励賞ではなく、芸術賞の方が多いことが分かる。
割合的には、邦舞や文学などよりも多く、全体の3~4割を占めているようだ。
両賞の受賞者は次のとおり(敬称略)。
札幌芸術賞
小泉のり子(洋舞)
中村 照子(陶芸)
西田 陽二(美術)
札幌文化奨励賞
澁谷 俊彦(美術)
八木 幸三(音楽)
山田 航(短歌)
筆者は、なんと、6人中4人が知り合いということで、会社を抜け出して会場にやって来た。
式では、まず上田市長があいさつ。
「大量生産、大量消費、大量廃棄というスタイルから一線を画し、人々の豊かさとは何なのか、しっかり思いをいたしていかなくてはなりません。今後は、豊かな心を持ち、持続可能な生活、創造性豊かな人々の集まりである大都市であるべきだと私は思います」
文字に起こすとつながりが悪いのは、筆者のメモの取り方が悪いのであって、実際のあいさつは、市長らしさのにじみ出た、通り一遍ではないあいさつだった。
続いて、6人が受賞の言葉を述べ、花束の贈呈を受けた。
以下、あくまで文責は筆者にある。
中村照子さんは道内の女性陶芸家の草分けである。
「ふだん、ろくろの前にすわっているとき以上に緊張しております。アートとは離れたところで仕事を続けてきまして、芸術賞にふさわしいかどうかと思いましたが、これを機会にいっそう励みたいと思います」
西田陽二さんは日展系の洋画家で、損保ジャパン絵画大賞で入賞した経歴もある。
「若いころは絵を描いているだけだったが、文化活動や社会に貢献しなければ自分たちの活動が認知されない、というふうに考えが変わってきた。賞金は同じ志をもつ仲間とともに、きょうは1杯だけビールをいただきますが、使わせていただきます」
澁谷俊彦さんは雪上や水面など自然を生かしたインスタレーションで近年活躍めざましい作家。
「冬の野外アートに取り組み始めて6年。ここまでの道のりは厳しかった。これからも、自分の作品の領域を拡げていきたい。地域性を常に念頭におき、雪国ならではの創造に取り組みたい。挑戦の精神を忘れずにまい進していきたい」
もちろん、皆さん、家族や、支援者への謝辞は欠かしていない。
筆者はここで、のっぴきならない用があって退席したのだが、この後の、山田さんのあいさつがすごかったらしい。
出席していた石川さんのFacebookから引用する。
『自分の育った最寄り駅はアイヌ語の地名から、ニュータウンの名を冠した駅名へと変わってしまった。
それ以来、それが心の空洞になっている。
精神的・文化的スラム。
文学でまち起こしが失敗する理由は、優れた文学作品ほど、その都市への批評・批判精神があるだからだ。
札幌の文化に貢献する事とは、札幌という都市を厳しく批判する事だ。この 空っぽな札幌は、クソだからこそ、面白い!!』
若さだな~。たいしたもんだと思う。
過去の受賞者については、札幌市役所のサイトの、このページがくわしい。
昭和47年度(1972年度)から平成12年度(2000年度)までは、札幌市民芸術賞、札幌市民文化奨励賞という名称であった。
過去の受賞者のうち、このブログに関連しそうな受賞者を挙げてみる。○印は札幌市民芸術賞(札幌芸術賞)、無印は札幌市民文化奨励賞(札幌文化奨励賞)。
昭和47年度 ○栗谷川健一(グラフィックデザイン)
48
49 ○中野北溟(書道)
50 ○小谷博貞(絵画)
51 ○松本春子(書道)
52 ○國松登(絵画)
53 ○小川東洲(書道) 方究会(絵画)
54 ○繁野三郎(絵画)
55 中川清風(書道)
56 ○本田明二(彫刻)
57 ○坂坦道(彫刻) ○栃内忠男(絵画)
58 ○上遠野徹(建築デザイン)
59 ○亀山良雄(絵画) ○大本靖(版画) 松崎染孝(染織工芸)
60 ○畠山三代喜(金属工芸)
61 下沢土泡(陶芸)
62 ○砂田友治(絵画) ○竹岡和田男(評論) 剣持小枝(工芸)
63 ○渡辺伊八郎(絵画) 原賢司(絵画) 加藤秋霜(書道)
平成元年度 ○佐藤庫之介(評論) 原田玉嶺(漆工芸) 戸坂恵美子(染織工芸)
2 ○島田無響(書道)
3 佐藤雅英(写真)
4 ○伊東将夫(絵画) ○藤根凱風(書道)
5 ○谷口一芳(絵画) 國松明日香(彫刻)
6 ○鎌田俳捺子(絵画) ○中野層翠(書道) 西川隆久(写真)
7 ○渡会純价(版画) 小原道城(書道)
8 ○松本瑛子(書道) ○原義行(絵画) 梅津恒見(グラフィックデザイン)
9 中島洋(映像)
10 ○米谷雄平(絵画) ○綿引幸造(写真) 沖中棟舟(書道)
11 ○伏木田光夫(絵画)
12 ○阿部典英(造形) ○八木伸子(絵画)
13 ○尾崎志郎(木版画)
14 ○圓山彬雄(建築デザイン)
15 ○矢崎勝美(美術) ○辻井京雲(書道)
16 ○鬼丸吉弘(美術) 端聡(美術)
17 ○我妻緑巣(書道) ○清水武男(写真) 佐藤浩司(美術)
18 ○岸本裕躬(美術)
19 ○木嶋良治(美術) ○小原道城(書道)
20 ○杉山留美子(美術) 平向功一(美術)
21 ○堀内掬夫(抽象美術) 下沢敏也(陶芸)
22 ○川井坦(美術) 谷口明志(美術)
23 ○竹岡羊子(美術) ○中村(家具デザイン) 伊藤隆介(映像・美術)
24 ○渡辺信(金属工芸) 川上りえ(彫刻)
25 ○阿部和加子(書道) ○荒巻義雄(文学・美術活動) 佐々木秀明(美術)
かっこ内は資料のとおりで、「美術」と「絵画」の違いはなにか、とか、堀内さんだけが「抽象美術」と「抽象」がついているのはなぜかとか、筆者に問われても、困る。
全体的に、美術・書道関係者は、奨励賞ではなく、芸術賞の方が多いことが分かる。
割合的には、邦舞や文学などよりも多く、全体の3~4割を占めているようだ。