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Channel: 北海道美術ネット別館
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■PHOTO EXHIBITION 12 (2015年3月13~18日、札幌)

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 美しい風景写真の3人展。米国スミソニアン博物館で作品が年間展示されるなど、近年めきめきと頭角を現している札幌の鎌田光彦さんが、青森県弘前市の柴田祥さん、埼玉県在住で会津地方を撮り続ける片桐英行さんとともに、東京に次いで、札幌でも開いています。
 鎌田さんはインターネットを通じて柴田さんと知り合い、「誰かもう一人誘おう」という話になった際に、片桐さんに声をかけることですぐに意見が一致したとのこと。
 展覧会名の「12」とは、3人で四季を撮る―という意味。3×4=12、というわけで、実際に東京の富士フォトサロンではひとり12点ずつ出品したとのこと。札幌は、東京に比べやや壁面が狭いため、すこし点数を減らしています。

 鎌田さんは、昨年「茶廊法邑」で開かれた「和を楽しむ」展にも出品されていた、水墨画のような山峡の風景や、羊蹄山と夜明けの空もありますが、筆者ははじめて見る作品が多かったです。
 なかでも驚いたのは、十勝管内浦幌町の夜の風景。たち枯れた木々が生えている群青色の池の上に、夏の大三角と銀河が輝いています。
 フィルム時代には、これだけ多くの星が点の像で撮影できることは、ありえないことでした。この作品には、地平の針葉樹林のすぐ上にまたたいているベガ(こと座)やその右上のアルタイル(わし座)、天頂近くのデネブ(はくちょう座)以外にも、いるか座やや(矢)座など、都市では絶対に肉眼で見えないような暗い星まで写っています。また、ベガなどは、星座早見盤のような大きな点になっています。
 鎌田さんにお聞きしたところ、暗い光を強調するフィルターをレンズにつけて撮影したとのこと。
 美瑛の青い池を思わせる不思議なロケーションは、幹線道路のすぐ近くにあり、かつての炭鉱の沈殿池か何かではないかということでした。

 柴田さんと片桐さんの風景写真には、鉄道をモティーフにしたものが多いです。
 なかでも、柴田さんが弘前近傍の小さな駅で、桜の花びらが舞う中、老夫婦とおぼしきふたりが、線路を渡っています。列車が遠くに見えます。小さい駅なので、跨線橋がないのでしょう。
 鉄道写真ではありませんが、五所川原市金木の冬道も印象に残りました。猛吹雪の雪原をまっすぐに通る道路は、北海道を思わせます。

 片桐さんがおもな被写体にしているのは、福島県の山奥を走る只見線です。
 距離と、走っているルートが山奥であることでは、国内屈指のローカル線です。
 谷あいにある水田や家の近くを走る列車もいいですが、雲や霧がたちこめる鉄橋をゆく列車をとらえた1枚は、なんだか森閑としたたたずまいに、引き込まれました。

 「12」展は、今回限りの企画ですが、鎌田さんはまたも、十勝管内大樹町の海岸で撮った幻想的な氷片の写真がスミソニアン博物館に展示されることになるなど、活躍しています。


2015年3月13日(金)~18日(水)午前10時~午後7時
富士フイルムフォトサロン札幌(中央区大通西6)



□鎌田光彦さんのサイト http://www.mitsuhikokamada.com/

「和」を楽しむ (2014)

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