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歌志内・大正館その他―2015年5月4日(3)

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(承前) 

 赤平や歌志内を走っているとバスの車窓から産業遺産(昔の炭鉱の施設)がふっと見えることがある。

 機会があれば、もっとゆっくり訪れたいものだ。

 赤平駅前から歌志内バス停までは13分。

 「大正館」は「歌志内」停留所のまん前にある。
 何度か紹介しているが、歌志内の画家、本城義雄さんが、集めた骨董を保管し、年に1度、春の連休にあわせて公開しているのである。
 本城さんは、全道展(会員)や国展(準会員)でごらんになった方もおられるでしょうが、古い物をリアルに、スタティックに描くのが持ち味で、そのモティーフをさがして集めているうちに、コレクションの量が膨れ上がっていったというわけ。

 古い柱時計だけで何十個もあるし、真空管ラジオ、おもちゃ、カセットレコーダー、ジュークボックス、郵便受け、ランプ、スキー靴やスキー板、ほうろう看板、視力検査表、オルガンや鉄琴などの楽器、つぼ、レジスター、フィルムカメラなど、とにかく膨大だ。

 隣りの棟には、本城さんの絵画が並べてある。
 こちらは、昨年、札幌時計台ギャラリーでの個展で見たばかりのものもある。

 大正館の居間では、苫小牧から毎年来ているというご夫妻や本城さんが、古い壁時計についておしゃべりしていた。
 本城さんによると、振り子部分の小さいほうが、古い時計らしい。

 コーヒーをごちそうになって、ふと見ると、古い小学校1年用の音楽の教科書があり、むかし自分が使ったものであることに気づく。

 1時間後、4時58分発の滝川行きバスに乗って、お別れした。




 ところで、このバス、砂川までなんと45分もかかる。
 国鉄時代、歌志内―砂川間が鈍行列車で25分だったのに比べ、いくらなんでもかかりすぎである。

 これは、歌志内から西歌まで行くと、進路を南に変えて小さな峠を越えて、上砂川を経由してから、砂川へ行くという経路をとっているからである。また、上砂川ではメーンの通りを行って、まだ戻るというルートをとっており、数百メートルが重複している。

 国鉄時代のように、砂川―上砂川、砂川―歌志内を別々に走らせるのもムダだというのは理解できる。
 とはいえ、実際に乗っていると、バスは実に頻繁に停留所に止まる。客の乗降のためではなく、時速30~40キロで走っているとすぐにバスの後尾に車が詰まってしまうため、いったん停留所にバスを寄せて、後ろの車を先に行かせているのだ。
 それはそれで心優しい気遣いだとは思うし、はみ出し禁止区間が多いのでやむをえないのだろうが、客がずっと筆者ひとりしかいないのに、止まる停留所の方が多いというのはいかにも異常というか、そもそもの時間設定に余裕を見すぎだとしか言いようがない。
 通学者のいない土日祝日は、時間設定を見直せば、あと少なくとも7、8分は短縮できるのではないか。

 上砂川では、岩波新書も置いていた遠藤書店が閉店していたが、もうひとつの本屋さんは健在のようだった。

 (右の画像は、炭鉱施設のあと、しばらく無重力実験施設として使われていた)

 バスは、砂川市街に入っていくが、なんと砂川駅前には立ち寄らない。
 駅から徒歩4、5分のところにある砂川市立病院の近くで止まる。そこには、小さいながらバスの待合室があるのだ。
 
 特急列車が来るのはおよそ40分後。
 きょう、これほど余裕がある乗り継ぎは初めてだ。

 病院と駅の間に、いわた書店があったが、残念ながら休みだった。
 雨も降り始めていたので、あまりふらふらと歩かずに、駅の中にいた。
 自由通路を通って、反対側の市民センターにも足を伸ばしたが、5時で閉館となっていた。

 稚内から来た特急サロベツは、自由席には空席がちらほらあり、窓際に座ることができた。

 車窓の雨は激しくなっていた。

 ぶじ札幌駅に時間通り到着。
 駅からコインパーキングまで歩き、車で自宅に戻った。


【告知】第18回大正館収蔵品展 (2011)
2009年の大正館へ行った記事
第15回記念 大正館収蔵品展(2008)
第11回大正館収蔵品展 (2004)


(この項終了) 

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