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彫刻家の加藤昭男さん死去

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 朝日新聞と読売新聞の5月8日付朝刊に彫刻家の加藤昭男さんの死亡記事が出ていた。
 両紙とも驚くほど同様の文面だったが、とりあえず朝日から引く。

<blockkquote> 加藤昭男さん(かとう・あきお=彫刻家、武蔵野美術大名誉教授)が4月30日、前立腺がんで死去、87歳。(中略)

 松下政経塾のアーチ門のレリーフ「明日の太陽」などを制作。94年に中原悌二郎賞、04年に旭日小綬章を受けた。

 中原悌二郎賞を受けた関係で、同賞受賞作を所蔵する中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館で、「何処へ」「バッタの仲間」を見た。
 ただし、「何処へ」という深刻な題にもかかわらず、作品は、動物が大きな鳥の上にまたがって飛んでいるというユーモアを感じさせるもので、いったいどのようにとらえたらいいのか、いささか困惑したことを覚えている。

 武田厚さんの大著「彫刻家の現場から」によると、加藤さんは1927年、愛知県瀬戸市生まれで、父は陶芸家であり、自らも若い時分は陶芸を志したらしい。
 東京藝大の彫刻科を卒業し、新制作の会員でもある。
 また、岳父(妻の父)は、メキシコの美術に大きな刻印を残した北川民次だという。

 武田さんは「加藤昭男の彫刻には総じて強靱な意志力が働いているように思う」と書き、簡素な造形をたたえているが、2点しか見たことのない筆者には正直なところよく分からない。意志というより、原初的な生命力みたいなものなのだろうという感じがした。

 ご冥福をお祈りします。

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