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京都へ(15) 2日目スタート

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(承前)

 ようやく、1泊2日の京都旅行の2日目である。
 この調子だと、書き終わるかどうかもあやしい。
 筆者はいままで、多くのシリーズを途中で放置した実績(?)があるし。

 前夜、ホテルのおなじフロアに泊まっている女子高校生たちが、午後10時を境にぴたっと静かになった話をしたが、称賛するには早かった。
 なぜなら翌朝、午前6時になると同時に、また部屋を行き来し始めたのである。
 やれやれ。

 筆者は、それと同時に床を離れて朝食を食べ、朝イチで清水寺へと向かうほどには元気ではなかった。
 とはいえ、午前8時にはチェックアウトして、京都駅に向かった。
 この日の目的地は、MIHO MUSEUM
 滋賀県甲賀市信楽町の山奥にある美術館で、バーネット・ニューマンの連作が特別展示されているという情報を得て、行ってみることにしたのだ。

 しかし、この美術館、大津市にある石山駅からバスで50分もかかるという。
 朝9時10分発のバスに乗るべく、京都から新快速に乗った。

 京都からトンネルをいくつか越えれば、大津はすぐだ。10分ほどしかかからない。
 もし「都道府県庁所在地どうしがこんなに近くていいのか大賞」が存在すれば、京都と大津は、仙台・山形や、東京・横浜、名古屋・岐阜などをぶっちぎって間違いなくナンバーワンであろう。
 このあたりの感覚は、どこまで行ってもとなりの県に到達できない土地に住んでいる北海道人にはどうもつかみづらい。

 石山駅の前には、芭蕉の像がたっている。

 かつて芭蕉はこの石山に庵を結んでいたのである。

 そもそも芭蕉には「ゆく春を近江の人と惜しみけり」という名句もあり、滋賀の地が好きなのだろう。

 石山駅には3社のバスが乗り入れている。
 昔の中央バスにそっくりな塗装のバスもある。

 また、駅前広場の前を京阪電車も通っていく。
 2輛編成の電車を見ていると、要するに京阪というのは、阪急などと違って、路面電車から発展したものだといえそうな気がする。
 この電車で石山まで来ればおもしろかったのにな、と思うが、スピードでは、JRの新快速にはかないっこないだろう。


 そのうち、MIHO MUSEUM 行きの帝産バスがやってきた。

 なお、石山には木曽義仲をまつる義仲寺があり、文芸評論家の保田與重郎の墓もあるが、それほど保田に興味を持てないこともあり、今回は足を伸ばさなかった(といって、今後行くことがあるだろうか?)。
 帰ってから知ったのだが、石山寺には、紫式部がこもって源氏物語を書いたという言い伝えもあるらしい。作家カンヅメの始祖ですな。

(この項続く)  

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