Quantcast
Channel: 北海道美術ネット別館
Viewing all articles
Browse latest Browse all 12034

キューバ芸術の行方

$
0
0
 北海道新聞には、時々思わぬところにアート関係の記事やコラムが載っていて、油断ならない。
 最近では、2015年8月4日 (火)の国際面のコラム「まちかど」が、面白かった。
 題は「キューバ芸術の行方は」。ワシントン駐在の橋本克法が書いている。彼がアートが好きだという話はいままで聞いたことがなかったから、まず書き出しからびっくりしてしまう。

 先日、キューバの首都ハバナを訪れた際、同国を代表する現代美術家で日本でも人気が高いネルソン・ドミンゲスさん(67)にばったり出会った。街を歩けば次々と声が掛かる有名人。「サッポロにも行ったよ。いい街だね」と気さくに話してくれた。

 いや、ふつうドミンゲスさんに会っても、わからないと思うんですけど。
 少なくても筆者はわからないぞ。

 引用を続ける。

 ギャラリーに案内してくれた。アフリカ宗教の神話を基に精神世界を表現する絵画は黒の色使いが特徴だ。一方、巨大なコルク抜きのオブジェの下には、数十本の空のワインボトルが並ぶ。「生きてきた時間だよ」。思わず笑い合った。

 「キューバの芸術文化の柱は、アフリカとスペイン。1950年代からアメリカ文化も加わった」とドミンゲスさん。アフリカ大陸から奴隷として連れてこられた黒人の文化と宗主国スペインの文化が融合し、さらに米国の影響を受け、独特の芸術が育った。

 キューバ革命後、カストロ政権が国立芸術学校をつくったことも振興を後押ししたという。「下町的だった文化が、プロの芸術に育った。今では、バレエや音楽、ダンスも世界中に広がっている」

 米国との54年ぶり国交回復で、米国文化が押し寄せてくる。ドミンゲスさんは「前進あるのみ」と恐れていない。

 これで全文である。

 こういうコラムが載っているから、新聞はあなどれない。


 さて、話は変わる。
 筆者は最近、美術関係のエッセーで、キューバ美術について触れた文章に遭遇した。
 しかも、そこで取り上げられていた作家のひとりが、サンドラ・ラモスさんであった。

 彼女は、1990年代に札幌の南2西2にあったINAX のギャラリーで個展を開いたことがある。
 筆者も、たぶん通訳を介してだと思うが、話をした覚えがある。
 そういえば、まだ円山北町にあったtemporary space でも個展を開催したんじゃないかな。ちょっと記憶がはっきりしない。

 80年代に道立近代美術館で学芸員を務め、その後、東京の目黒区美術館に転じた正木基さんが、開催に一役買っていたようであった。

 ただ、こまったことに、この本がなんという書物であるのかが、わからない。
 読んだばかりだというのに、信じられないボケぶりだ。

 筆者はてっきり「戦争画リターンズ 藤田嗣治とアッツ島の花々」だと思っていたのだが、ぱらぱらとめくっても、キューバ美術について書いたくだりが見当たらないのだ。

 少なくとも、キューバ美術の本ではないことは、はっきりしている。
 どなたかご存じのかたは、ご教示ください。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 12034

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>