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■生息と制作-北海道に於けるアーティスト、表現・身体・生活から(続き) 2013Mar.東京(13) 〜4月10日

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承前

 この章は、個人的な話になります。 

 出品者のひとりである石倉美萌菜さんのブログを読んで、それまで自分が気がついていなかったひとつの感情について、はたと思い出したのでした。
 そこには、つぎのように書いてありました。

 初めての東京!緊張を感じない位緊張していたようで今物凄いぐったりしています。

(中略)

半端ない東京及び本州コンプレックスをもってしまい、普通に東京を歩いていても札幌の田舎者と思われて嘗められちまう!とガンを飛ばしながら歩くような人になってしまったせいもあるのではないかと思います。いつの時代の田舎者だよ。って感じです。

 この感覚、すっかりわすれてました…。
 こういう
「東京は怖い」
「人が多すぎてつかれる」
「田舎者として見下されるんじゃないか」
っていうコンプレックスを抱いている人は、北海道には意外とたくさんいるような気がします。

 筆者は、1980年代半ばに文京区民だったためか、東京コンプレックスというのはまったくありません。
 コンプレックスと関係あるかどうかわかりませんが、例えば、銀座から新宿へ行くのに一番早い経路は何かとか、国立近代美術館へ行くのに東西線竹橋駅のどちらで降りればいいのかとか、わかっていますし、新宿駅から新宿眼科画廊へ行くのに地図を見なくても歩けますし、京浜急行の上り電車を利用しているときは無意識のうちに品川でJRに乗り継ぎしやすい場所に乗っています。
 なんだか自慢っぽくなっていやですが、要は札幌で地下鉄を乗り継いでいるときとおなじ感覚なのです。この点で、ふだんから自動車での移動が主で、公共交通機関に乗り慣れていない地方の人にとって、東京はハードルが高く、緊張するかもしれません(まあ、あの複雑きわまりない路線図を見たら、だれでもビビるかな)。



 東京を歩いているときに感じたのは、コンプレックスというより、むしろ自分に酔っている感覚でした。
「東京にいるオレ、すげえ」
みたいな。
 もちろん、日本人だからという理由だけでその人が偉いはずがないのと同じように、東京の人間だから偉いわけがない。
 ただ、その気になればいろいろなものを見ることができ、学べ、聴ける東京というところはすばらしいわけで、田舎に住んでいる身には、ほんとうにうらやましいのです。
 そして、そういうすばらしい土地を闊歩かっ ぽ している自分についても、肯定的になれるのかもしれません。
 もちろん、田舎を見下す必要はまったくないわけですが。


 なんだか書き足りない気がするので、この項続きます。 


 出品:石倉美萌菜 / 小林麻美 / 佐々木恒雄 / 中村絵美 / 藤谷康晴 / 森本めぐみ / Rady Wolf
 企画:大下裕司、森本めぐみ


2013年3月29日(金)〜4月10日(水)12:00〜20:00(水曜日〜17:00) *木曜休廊
新宿眼科画廊(新宿区新宿5-18-11)

3月30日(土) 14:00〜15:30 アーティストトーク / 18:00〜20:00 レセプションパーティー
4月06日(土) 藤谷康晴によるライブドローイング(18時頃からを予定)
 Rady Wolfさんによるパフォーマンスも予定されています




・地下鉄都営新宿線・東京メトロ丸ノ内線「新宿三丁目」駅のE1出口から約170メートル、徒歩3分(改札口からは8分ぐらいかかりそう)
・西武新宿駅から約710メートル、徒歩9分
・JR新宿駅、丸ノ内線新宿駅から約760メートル、徒歩10分
 

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