(記事に訂正あります)
すっかり年末の恒例になった黒展こくてん。
道内のアートシーンにおけるこの展覧会の位置づけなどについては、一昨年と昨年にあれこれと書いたので、ことしはサクっと、何枚かの画像で会場を紹介していきます。
黒をテーマに、たくさんの人が絵画や人形、写真などを展示しています。
ただしひとつ書いておくとすれば、この会場のnecco(ネッコ)を主宰するアラキヨシキヨ(荒木由聖)さんと筆者がしみじみ話し合ったのが
「ギャラリーやスペースが減ったよねえ」
ということ。
OYOYO、Attic、フリースペースPRAHA が姿を消し、マルバ会館も自前の空間を持たない移動映画上映団体となった2018年、
「よくわかんないけど、なんかおもしろいことができそうな空間」
というのが、札幌ではこのnecco ぐらいになってしまったような感があるのは否めません。
で、冒頭の画像は、ことしもアラキヨさんの作品。
題は「女王」。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットを記念して、ロックバンド「クイーン」のロゴを立体化しました!
この写真ではわかりづらいのですが、昨年の出品作のうち、月に突き刺さったロケット(砲弾)を再利用しています。
小さな兵士たちの模型がよじ登っているのは、クイーンと関係ないんじゃないかと思いますが(笑)。
作者いわく「百均の粘土でここまでできるんです! そこを見てほしい」。
左手にあるのは、ツギハギコロナ「M567 星雲オヅィニホ銀河群近郊 : 支種別産卵型宇宙生命体コロニー」という長い題の作品(片仮名など写し間違えていたらごめんなさい)。
フィルムなどをおさめるような小型冷蔵庫的な入れ物のなかに、宇宙生物を思わせるさまざまな立体が並んでいます。
右側は國生隆司「都市標本/室蘭」。
モノクロ写真5枚組みで、夜の街並みを撮っています。
ひと気がなくて、寂しげです。
中央のシカの頭骨は、会場に常時置かれているものです。
みゅふぃいゆ「黒い飴」。
透明な容器の中に入った濁った液体に、会場を訪れた人が黒い飴を入れると、シュワワワ~と黒い煙を吐くように溶けていくという趣向の作品。
題は、広島の原爆をテーマにした有名な小説から得たとも考えられ、そうだとすると、けっこう社会派というか、考えさせる作品といえます。
如月六日「喪煙」。
うれいを帯びた表情の球体関節人形。
まわりにちりばめた、チョウをかたどった紙片が、あやしい雰囲気を高めています。
サノシズカ「無題」。
白い花瓶のまわりに群がるアリを描写した立体作品。
先述の「喪煙」のすぐ近くに置いてあるので、昆虫つながりで並べたのかと思ったのですが、違うようです。
tukitao「to02」(左)、「to01」(右)、「to03」(下)。
ほかに「to04」「to05」「to06」。
これ、画像ではふつうのモノクロのイラストに見えますが、実はレリーフなのです。
とても自然な感じで支持体から盛り上がっているというか、一部が浮き上がっている半立体作品なのがおもしろいです。
苫小牧の裕樹さんは、neccoのグループ展では常連といっていいでしょう。
この「視差」と題した人形と、「クロイコ」という題のイラストを出品しています。
※訂正。逆でした。「視差」がイラストで「クロイコ」が人形。どうもすみません。
右は猫田芳仁さんの絵画3点組み「追想」。
なかなか複雑な構造を持っており、目を引きます。
左は「秋山三眼」名義の「無題」。
秋山さんが書いた「i」と題したテキストの冊子と、黒崎三眼さんによるモノクロ写真のコラボーレションということで、こういう名義になっているのでしょう。
目玉屋ぬい「Black Hirodoll」「Black santa」。
下は阿鼻叫喚ちゃん「死は来ませり」。
クリスマスによく歌われる賛美歌「主は来ませり」のもじりでしょうか。
このほか、なぜか画像がないのですが、「月のワルツ」という、人形をモノクロ写真に撮った作品がなかなかすてきでした。
また、水月さん「ワスレガタミ 2018」はいわゆる廃墟系のモノクロ写真(5枚組み)ですが、帯広のグリュック王国が被写体で、忘れられた欧洲の王宮のような独特の世界を映しだしています。絞りをかなり絞っているのも、功を奏していました。
水中蝶生さん「たとえこの右手がなくなってもコドクの闇は離さない」。
いつもの点描に、墨による濃淡を加えた作。
まだまだ作品はありますが、このへんで。
2018年12月20日(木)~25日(火)午後7~11時(土日は午後2~6時)
SAPPORO UNDERGROUND necco(札幌市中央区南1西12 AMSビル4階)
■黒展 vol.3 (2017)
■黒展 2 (2016)
・市電「中央区役所前」から約200メートル、徒歩3分
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約250メートル、徒歩4分
・ジェイ・アール北海道バス、中央バス「教育文化会館前」から約460メートル、徒歩6分
※手稲方面行き、小樽方面行きの、都市間高速バスを含むすべての便がとまります
・ジェイ・アール北海道バス「53 啓明ターミナル行き」で「中央区役所前」降車、約220メートル、徒歩3分
・ジェイ・アール北海道バス「51 啓明ターミナル行き」で「大通西14丁目」から約500メートル、徒歩7分
・両系統とも「西11丁目駅前」から約340メートル、徒歩5分
すっかり年末の恒例になった黒展こくてん。
道内のアートシーンにおけるこの展覧会の位置づけなどについては、一昨年と昨年にあれこれと書いたので、ことしはサクっと、何枚かの画像で会場を紹介していきます。
黒をテーマに、たくさんの人が絵画や人形、写真などを展示しています。
ただしひとつ書いておくとすれば、この会場のnecco(ネッコ)を主宰するアラキヨシキヨ(荒木由聖)さんと筆者がしみじみ話し合ったのが
「ギャラリーやスペースが減ったよねえ」
ということ。
OYOYO、Attic、フリースペースPRAHA が姿を消し、マルバ会館も自前の空間を持たない移動映画上映団体となった2018年、
「よくわかんないけど、なんかおもしろいことができそうな空間」
というのが、札幌ではこのnecco ぐらいになってしまったような感があるのは否めません。
で、冒頭の画像は、ことしもアラキヨさんの作品。
題は「女王」。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットを記念して、ロックバンド「クイーン」のロゴを立体化しました!
この写真ではわかりづらいのですが、昨年の出品作のうち、月に突き刺さったロケット(砲弾)を再利用しています。
小さな兵士たちの模型がよじ登っているのは、クイーンと関係ないんじゃないかと思いますが(笑)。
作者いわく「百均の粘土でここまでできるんです! そこを見てほしい」。
左手にあるのは、ツギハギコロナ「M567 星雲オヅィニホ銀河群近郊 : 支種別産卵型宇宙生命体コロニー」という長い題の作品(片仮名など写し間違えていたらごめんなさい)。
フィルムなどをおさめるような小型冷蔵庫的な入れ物のなかに、宇宙生物を思わせるさまざまな立体が並んでいます。
右側は國生隆司「都市標本/室蘭」。
モノクロ写真5枚組みで、夜の街並みを撮っています。
ひと気がなくて、寂しげです。
中央のシカの頭骨は、会場に常時置かれているものです。
みゅふぃいゆ「黒い飴」。
透明な容器の中に入った濁った液体に、会場を訪れた人が黒い飴を入れると、シュワワワ~と黒い煙を吐くように溶けていくという趣向の作品。
題は、広島の原爆をテーマにした有名な小説から得たとも考えられ、そうだとすると、けっこう社会派というか、考えさせる作品といえます。
如月六日「喪煙」。
うれいを帯びた表情の球体関節人形。
まわりにちりばめた、チョウをかたどった紙片が、あやしい雰囲気を高めています。
サノシズカ「無題」。
白い花瓶のまわりに群がるアリを描写した立体作品。
先述の「喪煙」のすぐ近くに置いてあるので、昆虫つながりで並べたのかと思ったのですが、違うようです。
tukitao「to02」(左)、「to01」(右)、「to03」(下)。
ほかに「to04」「to05」「to06」。
これ、画像ではふつうのモノクロのイラストに見えますが、実はレリーフなのです。
とても自然な感じで支持体から盛り上がっているというか、一部が浮き上がっている半立体作品なのがおもしろいです。
苫小牧の裕樹さんは、neccoのグループ展では常連といっていいでしょう。
この「視差」と題した人形と、「クロイコ」という題のイラストを出品しています。
※訂正。逆でした。「視差」がイラストで「クロイコ」が人形。どうもすみません。
右は猫田芳仁さんの絵画3点組み「追想」。
なかなか複雑な構造を持っており、目を引きます。
左は「秋山三眼」名義の「無題」。
秋山さんが書いた「i」と題したテキストの冊子と、黒崎三眼さんによるモノクロ写真のコラボーレションということで、こういう名義になっているのでしょう。
目玉屋ぬい「Black Hirodoll」「Black santa」。
下は阿鼻叫喚ちゃん「死は来ませり」。
クリスマスによく歌われる賛美歌「主は来ませり」のもじりでしょうか。
このほか、なぜか画像がないのですが、「月のワルツ」という、人形をモノクロ写真に撮った作品がなかなかすてきでした。
また、水月さん「ワスレガタミ 2018」はいわゆる廃墟系のモノクロ写真(5枚組み)ですが、帯広のグリュック王国が被写体で、忘れられた欧洲の王宮のような独特の世界を映しだしています。絞りをかなり絞っているのも、功を奏していました。
水中蝶生さん「たとえこの右手がなくなってもコドクの闇は離さない」。
いつもの点描に、墨による濃淡を加えた作。
まだまだ作品はありますが、このへんで。
2018年12月20日(木)~25日(火)午後7~11時(土日は午後2~6時)
SAPPORO UNDERGROUND necco(札幌市中央区南1西12 AMSビル4階)
■黒展 vol.3 (2017)
■黒展 2 (2016)
・市電「中央区役所前」から約200メートル、徒歩3分
・地下鉄東西線「西11丁目駅」から約250メートル、徒歩4分
・ジェイ・アール北海道バス、中央バス「教育文化会館前」から約460メートル、徒歩6分
※手稲方面行き、小樽方面行きの、都市間高速バスを含むすべての便がとまります
・ジェイ・アール北海道バス「53 啓明ターミナル行き」で「中央区役所前」降車、約220メートル、徒歩3分
・ジェイ・アール北海道バス「51 啓明ターミナル行き」で「大通西14丁目」から約500メートル、徒歩7分
・両系統とも「西11丁目駅前」から約340メートル、徒歩5分