名寄の国際雪像彫刻大会を兼ねて2010年に始まったさっぽろ雪像彫刻展が10回目を迎えました。
筆者は昨年など、これまで見ていない年もけっこうあって、あまり断言はしにくいのですが、今年はなかなか見応えがあると思います。
造形の確かさももちろんですが、始まったころに比べて高さも増しています。
佐藤一明(彫刻家)「大型犬」
佐藤さんがストーブ型以外の作品をつくるのはとても珍しいです。
直線化を施した犬です。
■つながろう2018 TIME AXIS 時間軸 (2018)
■立体四人面白半分展(2010)
佐藤隆之(美術家)、小川豊(画家)、河口真哉(詩人)「こころ」
これはどうやって作ったのでしょう。
合作の力だなあ~と感じます。
このかたちを彫るのは困難でしょうから、雪の玉をくっつけていったのではないでしょうか。
小川さんの絵画「心のひだ」を立体にすると、こういう作品になるのかもしれません。
■New Point vol.15
■第6回有限会社ナカジプリンツ (2018)
■第45回記念美工展 (2018)=画像なし
■第44回 美工展 (2017)
■500m美術館 (2007)
■第四十五回北海道抽象派作家協会展 (2018)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017)
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
■HOKKAIDO EXHIBITION 2016 Loop -spin off-
■HANA展 (2014)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■小川豊展 (2010)
■北翔大学大学院・研究生6人展(2008年)
■第63回新道展(2018)
■バックボックス展 (2018年4月)
■バックボックス展 (2017)=河口真哉さん
さとうゆうき(造形作家)「Snow butterfly」
たしかにチョウのかたちですが、この雪像でおもしろいのは、のみ痕がくっきりと出ている木彫のような表面です。こういう雪像はきわめて珍しい。
雪像にマチエールという概念を導入したという意味で、興味深い作品です。
須藤大介(ノールドデザイン)大沼望(ノールドデザイン)「Backbone」
ノールドデザインは室蘭の会社だそうです。
シンプルでめりはりのきいた美しさもさることながら、力学的な計算がすばらしい。
漫然と雪を積み上げていったら、この傾きを出せないと思います。雪の粘りや強度などを確かめつつ、高くしていったことがうかがえます。
清水宏晃(木工家)「SNOWSHINE」
直線で囲まれたさまざまな形状の板を、斜めに何枚も組み合わせたような形をしています。
シャープで、迫力ある形状です。
清水さんは事務局を担当しています。
■暮らしの中の真鍮・木・土・革 展 vol.7 (2018、画像なし)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■木が語る (2014)
野村裕之(彫刻家)「少女ー心の函」。
ベテラン彫刻家の野村さん。近年は石彫だけでなく、いろいろな素材を手がけています。
あお向けに横たわる女の子は、いったい何を祈っているのでしょうか。
■New Point vol.15 (2019年1月)
■石彫刻の8人展 (2018)
■つながろう2016 Hard/Soft
■New Point vol.12 (2015)=画像なし
■野村裕之 個展 ―浄化― (2014)
■木 脇坂淳/陶 前田育子/画 別府肇/石 野村裕之/布 田村陽子(2013)
■-の わ- 野村裕之・脇坂淳ユニット「エアーズ ウッド」 ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
■野村裕之 チビアートの世界展(2008)
■ひろがるかたち(06年の4人展)
■野村裕之彫刻展 なぞなぞ(03年)
■野村裕之小彫刻展 ひそやか(02年、画像なし)
丸山恭子(彫刻家)「ラプンツェルの真珠」
これまでの雪像彫刻展では見られなかった優美さを漂わせる女性像。
右下にテニスボールや雪玉が見えますが、これは雪像の周囲に、木の玉が転がり落ちるおもちゃのような溝がついていて、上からころころと転がせるようになっているのです。
北海道芸術デザイン専門学校 クラフトデザイン専攻「flow」
曲線を生かしたデザイン。
同「くるみ」
こちらも曲線的。
穴がふたつ開いていることもあり、見る方向によって形や印象がぜんぜん違います。
北海道札幌平岸高等学校 デザインアートコース「青空」
直線的なつくりで、まるでビルディングのよう。正面から見るのと、真横から見るのとでは、まったく印象が異なります。
ちょうど2階にあたる位置のくぼみに氷がはまっていて、ガラス窓のようです。
同「HOGEI」
題は「捕鯨」を意味するのでしょうか。
下半身が水面下に隠れているという設定のようで、かえってスケール感が増しています。
私なら「Moby Dick」と名付けたくなりますが。白いし。
右手後方に「こころ」が見えます。
板本伸雄「猪突猛滑」
フライヤーには名前がありませんが、昨年まで雪像づくりに加わっていた板本さんが、飛び入りで参加しました。
河崎ゆかりさん、くまがいきよしさん、水戸麻記子さんの3人によるすべり台の、出口附近に彫ったレリーフです。
今年は、もともと庭にある本郷新作品も、雪に映えるようにと、雪でバックの壁を作ったりしているのがおもしろかったです。
なお、室内では、今回と過去の参加作家による小品展や、「本郷新の見た『異国』」(有料)も開かれています。
お見逃しなく。
ライトアップの設備もあるので、夕方がいちばん美しいかなあ。
27日夜にすべて取り壊すわけではないと思うので、作品によっては29日以降(28日は休館日)も見られるかもしれません。
2019年1月25日(金)~27日(日)午前10時~午後5時半
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)
■さっぽろ雪像彫刻展2017
=佐藤一明、さとうゆうき、清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻展2016
=清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻祭2015
=清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻展 (2014)
=佐藤一明、清水宏晃、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■札幌雪像彫刻 (2010)
=清水宏晃、北海道芸術デザイン専門学校
・地下鉄東西線「西28丁目」駅で、ジェイアール北海道バス「循環西20 神宮前先回り」に乗り継ぎ、「彫刻美術館入口」で降車。約620メートル、徒歩8分
・地下鉄東西線「円山公園」駅で、ジェイアール北海道バス「円14 荒井山線 宮の森シャンツェ前行き」「円15 動物園線 円山西町2丁目行き/円山西町神社前行き」に乗り継ぎ、「宮の森1条10丁目」で降車。約1キロ、徒歩13分
・地下鉄東西線「西28丁目」「円山公園」から約2キロ、徒歩26分
筆者は昨年など、これまで見ていない年もけっこうあって、あまり断言はしにくいのですが、今年はなかなか見応えがあると思います。
造形の確かさももちろんですが、始まったころに比べて高さも増しています。
佐藤一明(彫刻家)「大型犬」
佐藤さんがストーブ型以外の作品をつくるのはとても珍しいです。
直線化を施した犬です。
■つながろう2018 TIME AXIS 時間軸 (2018)
■立体四人面白半分展(2010)
佐藤隆之(美術家)、小川豊(画家)、河口真哉(詩人)「こころ」
これはどうやって作ったのでしょう。
合作の力だなあ~と感じます。
このかたちを彫るのは困難でしょうから、雪の玉をくっつけていったのではないでしょうか。
小川さんの絵画「心のひだ」を立体にすると、こういう作品になるのかもしれません。
■New Point vol.15
■第6回有限会社ナカジプリンツ (2018)
■第45回記念美工展 (2018)=画像なし
■第44回 美工展 (2017)
■500m美術館 (2007)
■第四十五回北海道抽象派作家協会展 (2018)
■44th 北海道抽象派作家協会展 (2017)
■第43回北海道抽象派作家協会展 (2016)
■HOKKAIDO EXHIBITION 2016 Loop -spin off-
■HANA展 (2014)
■第41回北海道抽象派作家協会展 (2014)
■小川豊展 (2010)
■北翔大学大学院・研究生6人展(2008年)
■第63回新道展(2018)
■バックボックス展 (2018年4月)
■バックボックス展 (2017)=河口真哉さん
さとうゆうき(造形作家)「Snow butterfly」
たしかにチョウのかたちですが、この雪像でおもしろいのは、のみ痕がくっきりと出ている木彫のような表面です。こういう雪像はきわめて珍しい。
雪像にマチエールという概念を導入したという意味で、興味深い作品です。
須藤大介(ノールドデザイン)大沼望(ノールドデザイン)「Backbone」
ノールドデザインは室蘭の会社だそうです。
シンプルでめりはりのきいた美しさもさることながら、力学的な計算がすばらしい。
漫然と雪を積み上げていったら、この傾きを出せないと思います。雪の粘りや強度などを確かめつつ、高くしていったことがうかがえます。
清水宏晃(木工家)「SNOWSHINE」
直線で囲まれたさまざまな形状の板を、斜めに何枚も組み合わせたような形をしています。
シャープで、迫力ある形状です。
清水さんは事務局を担当しています。
■暮らしの中の真鍮・木・土・革 展 vol.7 (2018、画像なし)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■木が語る (2014)
野村裕之(彫刻家)「少女ー心の函」。
ベテラン彫刻家の野村さん。近年は石彫だけでなく、いろいろな素材を手がけています。
あお向けに横たわる女の子は、いったい何を祈っているのでしょうか。
■New Point vol.15 (2019年1月)
■石彫刻の8人展 (2018)
■つながろう2016 Hard/Soft
■New Point vol.12 (2015)=画像なし
■野村裕之 個展 ―浄化― (2014)
■木 脇坂淳/陶 前田育子/画 別府肇/石 野村裕之/布 田村陽子(2013)
■-の わ- 野村裕之・脇坂淳ユニット「エアーズ ウッド」 ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
■野村裕之 チビアートの世界展(2008)
■ひろがるかたち(06年の4人展)
■野村裕之彫刻展 なぞなぞ(03年)
■野村裕之小彫刻展 ひそやか(02年、画像なし)
丸山恭子(彫刻家)「ラプンツェルの真珠」
これまでの雪像彫刻展では見られなかった優美さを漂わせる女性像。
右下にテニスボールや雪玉が見えますが、これは雪像の周囲に、木の玉が転がり落ちるおもちゃのような溝がついていて、上からころころと転がせるようになっているのです。
北海道芸術デザイン専門学校 クラフトデザイン専攻「flow」
曲線を生かしたデザイン。
同「くるみ」
こちらも曲線的。
穴がふたつ開いていることもあり、見る方向によって形や印象がぜんぜん違います。
北海道札幌平岸高等学校 デザインアートコース「青空」
直線的なつくりで、まるでビルディングのよう。正面から見るのと、真横から見るのとでは、まったく印象が異なります。
ちょうど2階にあたる位置のくぼみに氷がはまっていて、ガラス窓のようです。
同「HOGEI」
題は「捕鯨」を意味するのでしょうか。
下半身が水面下に隠れているという設定のようで、かえってスケール感が増しています。
私なら「Moby Dick」と名付けたくなりますが。白いし。
右手後方に「こころ」が見えます。
板本伸雄「猪突猛滑」
フライヤーには名前がありませんが、昨年まで雪像づくりに加わっていた板本さんが、飛び入りで参加しました。
河崎ゆかりさん、くまがいきよしさん、水戸麻記子さんの3人によるすべり台の、出口附近に彫ったレリーフです。
今年は、もともと庭にある本郷新作品も、雪に映えるようにと、雪でバックの壁を作ったりしているのがおもしろかったです。
なお、室内では、今回と過去の参加作家による小品展や、「本郷新の見た『異国』」(有料)も開かれています。
お見逃しなく。
ライトアップの設備もあるので、夕方がいちばん美しいかなあ。
27日夜にすべて取り壊すわけではないと思うので、作品によっては29日以降(28日は休館日)も見られるかもしれません。
2019年1月25日(金)~27日(日)午前10時~午後5時半
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)
■さっぽろ雪像彫刻展2017
=佐藤一明、さとうゆうき、清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻展2016
=清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻祭2015
=清水宏晃、野村裕之、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■さっぽろ雪像彫刻展 (2014)
=佐藤一明、清水宏晃、北海道芸術デザイン専門学校、北海道札幌平岸高校
■札幌雪像彫刻 (2010)
=清水宏晃、北海道芸術デザイン専門学校
・地下鉄東西線「西28丁目」駅で、ジェイアール北海道バス「循環西20 神宮前先回り」に乗り継ぎ、「彫刻美術館入口」で降車。約620メートル、徒歩8分
・地下鉄東西線「円山公園」駅で、ジェイアール北海道バス「円14 荒井山線 宮の森シャンツェ前行き」「円15 動物園線 円山西町2丁目行き/円山西町神社前行き」に乗り継ぎ、「宮の森1条10丁目」で降車。約1キロ、徒歩13分
・地下鉄東西線「西28丁目」「円山公園」から約2キロ、徒歩26分