(承前)
円山公園そばのギャラリーレタラが2011年から毎年の年末年始に開いている「顔見世興行」的な小品展。
さいとうギャラリーも同様の展覧会を開いており、両者の比較考察については、昨年の記事を参照してください。
中央はベテラン阿部典英さん「タイの葉虫」。
羽虫でなく、葉虫です。画面の隅に「MAN RIVERSIDE ARTS SPACE にて 16-DEC-2018」と書かれており、昨年暮れに訪れた東南アジアで拾った葉っぱだろうか。若々しい遊び心。
両側には素材のひび割れを生かした作品が掛かっている。
陶芸家の下沢敏也さん「Re-birth」と、日本画家の朝地信介さん「空 ⇔ 色」。
近くには、吉田茂さん「Begin the Beguine 真夜中のダンス」もある。
まったくちがうフィールドの作家たちがよく似たアプローチをみせているのがおもしろい。
後ろの壁の中央に、國松明日香さんの版画が見える。
そのとなりは、西田陽二さんの「バレリーナ」。
女性の気品が画面から香ってくるようだ。典雅な風格がある。
左端は工藤悦子さん「冬華」。
丹念に絵の具を塗っては削ったマチエールの美しさが光る。
手前の立体、右側はクスミエリカさんの作品。
デジタルカメラで撮影した画像をパソコンで組み合わせ、透明な函の中に収めた。
その左の白い立体は、いま画像を見ると柿崎熙さんの作品だと思う。
このほか、阿地信美智さんはQRコードを展示して「河口展」へのアクセスを来場者に促し、田村陽子さん「AMUAMU」は糸を編む作業から発展したソフトスカルプチュアの一種を壁に展示した。
上嶋秀俊さん、谷口明志さんは、従来の作風から少し発展したものを発表していた。
最後に、野又圭司さんのポスター「「脳梗塞」って何?」。
野又さんの個展が「岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館」で昨年10月5日から開催を予定されていながら中止となったことは知っていたが、その原因が脳梗塞だとは初めて聞き、正直驚いた。
ただ、ギャラリーの泉さんによると、順調に回復し、日常生活には支障がないとのことで、胸をなで下ろした。
あたかも同ホールが作ったポスターに「中止」という紙を急きょ貼り付けたように見えるが、じつはポスターは「中止」の部分を含めて野又さんがこの展覧会のために制作したもの。
しかも、ポスターに印刷されているインスタレーションの画像も、わざわざこのために新たに作ったもののようだ。
インスタレーションは、砂で作った建物や道路などの都市で、以前ギャラリーレタラで発表したものと同タイプだが、新たな要素として、鉛で作ったミニカーが砂の路上にいくつも並んでいる。一部を会場で販売していた。
2018年12月22日(土)~19年1月20日(日)正午~午後6時、12月29日~1月3日と火曜休み
Gallery Retara(札幌市中央区北1西28 Space MOMA 3階)
関連記事へのリンク
■札幌のアーティスト50人展 (2017~18)
=阿部さん、野又さん
■札幌のアーティスト50 + 1人展 (2016~17、画像なし)
=野又さんについて論述
■ゆく年くる年'18ー'19展(画像なし)
■第47回 札幌文化団体協議会フェスティバル(2018、画像なし)
■さっぽろライラックまつり第60回記念 文化作品展示「百花繚乱」(2018)
中山峠 森の美術館(5) 阿部典英「ネェダンナサンあるいは未・和・動」
■WAVE NOW 2014■阿部典英展「ネェダンナサン あるいは 月(げつ)・影(えい)・漂(ひょう)」(2014年7月)
■防風林アートプロジェクト (2014)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
【告知】阿部典英展 心の原風景 海への回帰 (2012年8月4日~9月17日、小樽)
阿部典英「ユキミザケ」 ハルカヤマ藝術要塞
■阿部典英のすべて~工作少年、イメージの深海をゆく~ ■その2 ■その3 ■その4(2012年4~5月)
■ 「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日(2011)
【告知】第7回 2011新春特別企画展 阿部典英展 TEN-EI ABE EXHIBITION(2011年1~3月)
■北海道立体表現展(2010年、執筆中)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也(2009年)
■阿部典英 Ten-ei Abe Exhibition(2009年)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年)
■SAPPORO ART PLANETS展 (2009年5月)
■見えるもの⇔見えないもの-イマジネーションのちから- (2009年1-3月)
■WAVE NOW 2008
■交差する視点とかたち vol.2 (2008年7月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■SCAN DO SCAN(07年10-12月)
■企画展「07→08」(画像なし)
■WAVE NOW 06
■北海道立体表現展(06年、画像なし)
冬の定山渓(「ミスカッパ」の画像あり)
■阿部典英個展(2002年)
■北方圏美術展(2002)
=阿部典英さん
□https://toshiyashimozawa.com/
近美コレクション 北の美術家群像 (2018)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■下沢敏也陶展 風化から再生へII (2016)
■防風林アートプロジェクト(2014)
■紋別市立博物館開館10周年記念企画展「器の世界~原始土器から現代陶芸へ」 (2012)
■ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
■ 「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日 (2011年)
■フォールディング・コスモス (2011年7月17、18日、札幌/September 3 - 11,NYC)
【告知】フォールディング・コスモス
■中庭インスタレーション 下沢敏也 Re-birth 風化から森へII (2011年10月まで札幌芸術の森美術館で展示中)
■下沢敏也展[陶のオブジェと小品展](2011年6月)
■下沢敏也個展「Re-birth.2010」-起源-(2010年)
■下沢敏也さん 札幌文化奨励賞の受賞お祝いの会
■ARCHAIC FANTASY 土×炎=? つちとほのおで何だろな (2009年12月-2010年2月11日)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也 (2009年7月)
■奥村博美×下沢敏也 陶展 (2009年5月)
■下沢敏也陶展 -RE-BIRTH- (2009年4月)
■下沢敏也陶展-風化から森へ- (2008年8月)
■交差する視点とかたち vol.2(08年7月)
■「響韻と、在る。」石川亨信さんとの2人展(08年4月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■07年4月の個展
■田村陽子さんとの2人展(07年1~2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)
□https://kusumierika.com/
■クスミエリカ個展 変転のコリドー (2017)
■2015年の個展
■クスミエリカ・白山郁美 二人展 「Parallel」(2014)
■ambivalence クスミエリカ展 (2014)
■HAKONIWA PHOTO EXHIBITION 2011
■写真グループ「HAKONIWA(ハコニワ)」の巨大写真が地下鉄琴似駅メトロギャラリーに登場(2010年)
■さっぽろフォトステージPart2 (2009年12月)
■HAKONIWA 2008
■HAKONIWA(2003) (画像なし)
■野又圭司展 脱出-困難な未来を生きるために (2016) ■続き
■Sapporo Conception 札幌現代アート交流展 第1弾「思考気流」 (2014)
■となりのひと Art about our neighbor (2012)
【告知】野又圭司展-生きるためにすべてを放棄- (2012)
【告知】札幌彫刻美術館の新シリーズ「New Eyes」第1弾は「となりのひと」(2012年6月2日~8月26日)
■500m美術館 (2010年)
■野又圭司展「石膏・銅・木」(2010)
■ハコトリ(6)(2009)
■立体四人面白半分展 (2009年4~5月)
■北海道立体表現展'08
■下町のコレクション展 2
■北海道立体表現展’06
■野又圭司展(2006年)
■北の彫刻展(2004)
■札幌の美術2004
■北海道立体表現展'03
■くりさわ現代アート展(2002)
■新道展会員小品展(2002)
■リレーション・夕張2002
(この項続く)
円山公園そばのギャラリーレタラが2011年から毎年の年末年始に開いている「顔見世興行」的な小品展。
さいとうギャラリーも同様の展覧会を開いており、両者の比較考察については、昨年の記事を参照してください。
中央はベテラン阿部典英さん「タイの葉虫」。
羽虫でなく、葉虫です。画面の隅に「MAN RIVERSIDE ARTS SPACE にて 16-DEC-2018」と書かれており、昨年暮れに訪れた東南アジアで拾った葉っぱだろうか。若々しい遊び心。
両側には素材のひび割れを生かした作品が掛かっている。
陶芸家の下沢敏也さん「Re-birth」と、日本画家の朝地信介さん「空 ⇔ 色」。
近くには、吉田茂さん「Begin the Beguine 真夜中のダンス」もある。
まったくちがうフィールドの作家たちがよく似たアプローチをみせているのがおもしろい。
後ろの壁の中央に、國松明日香さんの版画が見える。
そのとなりは、西田陽二さんの「バレリーナ」。
女性の気品が画面から香ってくるようだ。典雅な風格がある。
左端は工藤悦子さん「冬華」。
丹念に絵の具を塗っては削ったマチエールの美しさが光る。
手前の立体、右側はクスミエリカさんの作品。
デジタルカメラで撮影した画像をパソコンで組み合わせ、透明な函の中に収めた。
その左の白い立体は、いま画像を見ると柿崎熙さんの作品だと思う。
このほか、阿地信美智さんはQRコードを展示して「河口展」へのアクセスを来場者に促し、田村陽子さん「AMUAMU」は糸を編む作業から発展したソフトスカルプチュアの一種を壁に展示した。
上嶋秀俊さん、谷口明志さんは、従来の作風から少し発展したものを発表していた。
最後に、野又圭司さんのポスター「「脳梗塞」って何?」。
野又さんの個展が「岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館」で昨年10月5日から開催を予定されていながら中止となったことは知っていたが、その原因が脳梗塞だとは初めて聞き、正直驚いた。
ただ、ギャラリーの泉さんによると、順調に回復し、日常生活には支障がないとのことで、胸をなで下ろした。
あたかも同ホールが作ったポスターに「中止」という紙を急きょ貼り付けたように見えるが、じつはポスターは「中止」の部分を含めて野又さんがこの展覧会のために制作したもの。
しかも、ポスターに印刷されているインスタレーションの画像も、わざわざこのために新たに作ったもののようだ。
インスタレーションは、砂で作った建物や道路などの都市で、以前ギャラリーレタラで発表したものと同タイプだが、新たな要素として、鉛で作ったミニカーが砂の路上にいくつも並んでいる。一部を会場で販売していた。
2018年12月22日(土)~19年1月20日(日)正午~午後6時、12月29日~1月3日と火曜休み
Gallery Retara(札幌市中央区北1西28 Space MOMA 3階)
関連記事へのリンク
■札幌のアーティスト50人展 (2017~18)
=阿部さん、野又さん
■札幌のアーティスト50 + 1人展 (2016~17、画像なし)
=野又さんについて論述
■ゆく年くる年'18ー'19展(画像なし)
■第47回 札幌文化団体協議会フェスティバル(2018、画像なし)
■さっぽろライラックまつり第60回記念 文化作品展示「百花繚乱」(2018)
中山峠 森の美術館(5) 阿部典英「ネェダンナサンあるいは未・和・動」
■WAVE NOW 2014■阿部典英展「ネェダンナサン あるいは 月(げつ)・影(えい)・漂(ひょう)」(2014年7月)
■防風林アートプロジェクト (2014)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
【告知】阿部典英展 心の原風景 海への回帰 (2012年8月4日~9月17日、小樽)
阿部典英「ユキミザケ」 ハルカヤマ藝術要塞
■阿部典英のすべて~工作少年、イメージの深海をゆく~ ■その2 ■その3 ■その4(2012年4~5月)
■ 「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日(2011)
【告知】第7回 2011新春特別企画展 阿部典英展 TEN-EI ABE EXHIBITION(2011年1~3月)
■北海道立体表現展(2010年、執筆中)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也(2009年)
■阿部典英 Ten-ei Abe Exhibition(2009年)
■さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年)
■SAPPORO ART PLANETS展 (2009年5月)
■見えるもの⇔見えないもの-イマジネーションのちから- (2009年1-3月)
■WAVE NOW 2008
■交差する視点とかたち vol.2 (2008年7月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■SCAN DO SCAN(07年10-12月)
■企画展「07→08」(画像なし)
■WAVE NOW 06
■北海道立体表現展(06年、画像なし)
冬の定山渓(「ミスカッパ」の画像あり)
■阿部典英個展(2002年)
■北方圏美術展(2002)
=阿部典英さん
□https://toshiyashimozawa.com/
近美コレクション 北の美術家群像 (2018)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■下沢敏也陶展 風化から再生へII (2016)
■防風林アートプロジェクト(2014)
■紋別市立博物館開館10周年記念企画展「器の世界~原始土器から現代陶芸へ」 (2012)
■ハルカヤマ藝術要塞 (2011)
■ 「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 帯広コンテンポラリーアート-真正閣の100日 (2011年)
■フォールディング・コスモス (2011年7月17、18日、札幌/September 3 - 11,NYC)
【告知】フォールディング・コスモス
■中庭インスタレーション 下沢敏也 Re-birth 風化から森へII (2011年10月まで札幌芸術の森美術館で展示中)
■下沢敏也展[陶のオブジェと小品展](2011年6月)
■下沢敏也個展「Re-birth.2010」-起源-(2010年)
■下沢敏也さん 札幌文化奨励賞の受賞お祝いの会
■ARCHAIC FANTASY 土×炎=? つちとほのおで何だろな (2009年12月-2010年2月11日)
■交差する視点とかたち vol.3 阿部典英 加藤委 川上りえ 下沢敏也 (2009年7月)
■奥村博美×下沢敏也 陶展 (2009年5月)
■下沢敏也陶展 -RE-BIRTH- (2009年4月)
■下沢敏也陶展-風化から森へ- (2008年8月)
■交差する視点とかたち vol.2(08年7月)
■「響韻と、在る。」石川亨信さんとの2人展(08年4月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■07年4月の個展
■田村陽子さんとの2人展(07年1~2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)
□https://kusumierika.com/
■クスミエリカ個展 変転のコリドー (2017)
■2015年の個展
■クスミエリカ・白山郁美 二人展 「Parallel」(2014)
■ambivalence クスミエリカ展 (2014)
■HAKONIWA PHOTO EXHIBITION 2011
■写真グループ「HAKONIWA(ハコニワ)」の巨大写真が地下鉄琴似駅メトロギャラリーに登場(2010年)
■さっぽろフォトステージPart2 (2009年12月)
■HAKONIWA 2008
■HAKONIWA(2003) (画像なし)
■野又圭司展 脱出-困難な未来を生きるために (2016) ■続き
■Sapporo Conception 札幌現代アート交流展 第1弾「思考気流」 (2014)
■となりのひと Art about our neighbor (2012)
【告知】野又圭司展-生きるためにすべてを放棄- (2012)
【告知】札幌彫刻美術館の新シリーズ「New Eyes」第1弾は「となりのひと」(2012年6月2日~8月26日)
■500m美術館 (2010年)
■野又圭司展「石膏・銅・木」(2010)
■ハコトリ(6)(2009)
■立体四人面白半分展 (2009年4~5月)
■北海道立体表現展'08
■下町のコレクション展 2
■北海道立体表現展’06
■野又圭司展(2006年)
■北の彫刻展(2004)
■札幌の美術2004
■北海道立体表現展'03
■くりさわ現代アート展(2002)
■新道展会員小品展(2002)
■リレーション・夕張2002
(この項続く)