4月前半に見たのに、アップが遅れてすみません。
「池袋モンパルナス」とは戦前、いまよりはひなびた地域だった池袋の西側に、画学生用のアトリエつきアパートが並び、貧乏な絵描きも多く住み着いていたことに由来する通称で、名付け親は旭川・小樽ゆかりの詩人小熊秀雄だといわれている。
冒頭画像は、桐野江節雄「桜が丘パルテノン」。
木造の家がかつてたくさん建てられたアトリエ付き住宅のひとつだ。
筆者も幼い時分はこのような長屋に住んでいたので、非常に懐かしい。
「さくらが丘パルテノン」については、東京都豊島区のサイトにくわしい。
右側は長沢節「裏磐梯への道」。
長沢節は「セツ・モードセミナー」でファッション界に多数の人材を送り込んだことで知られるが、もとは池袋モンパルナスで画家としても活動していた。
彼が福島県会津の生まれと聞くと、感銘も湧いてくる。
その左は西田宏道「雪原の木立」。
西田さんは2012年に亡くなるまで豊島区内のアトリエで絵筆を執っていた、池袋モンパルナス最後の画家。
このギャラリーでも個展を開いたことがある。
左は佐田勝「裸婦」。
写実的な絵が多い会場では異色の作品で、黒く太い輪郭線が直線的に裸婦を形作っている。
1914年(大正3年)長崎生まれ、93年歿。
戦前は美術文化協会の発足に参画したが、戦後は自由美術に所属した。
なぜか2000年に、市立小樽美術館市民ギャラリーで個展が開かれている。
中央の小品は朝井閑右衛門「ギター弾き」。
この画家(1901~83)は「異色」とか「孤高」といわれ、生前は個展もほとんどやらない人だったこともあり、筆者はたまに小品を見かける程度で、どこらへんが「異色」なのか、その正価が分からないままである。
右は高畠達四郎「リュクサンブール公園」。
高畠は独立美術の創立会員。
左は鈴木新夫「五郎窪(江古田の田園)」。
薄暗くて、ちょっと湿っぽさを感じられる風景。
地図で見ると、西武池袋線東長崎駅の近くに「五郎久保稲荷神社」というのがあるので、その近辺の情景だと思われる。
池袋モンパルナスから1キロ足らずのところに、こんな水田があったとは、現代の東京の膨張ぶりを知る者にとっては驚きだ。
鈴木(1915~80)は福島県生まれ、新制作の会員。
そのとなりは、春日部たすく「うろこ雲流る」。
春日部(1903~85)も福島県会津若松市生まれ。
日本水彩画会をへて、水彩連盟の設立に参画した。
右の石膏デッサンは、靉光あいみつの「カラカラ帝素描」。
デッサンとはいえ、靉光の未発表作はとても珍しい。
左から川口軌外「港の船」、井上長三郎「チェリスト」、一木万寿三「日本橋風景」。
一木は滝川出身で全道展の創立会員なので、知っている人も多いだろう。
このほか、裸婦で有名な古沢岩美の風景画「アムステルダムの道」や、丸木位里、丸木俊、里見勝蔵、麻生三郎、田中佐一郎、福沢一郎らの作品が展示されている。
2019年4月2日(火)~5月31日(金)午前11時~午後6時、日月祝日休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3 ameblo.jp/kita-mont/)
関連記事へのリンク
ギャラリー北のモンパルナスが復活 =新装オープン記念企画展は上期が2018年3月、下期が4月3~28日、札幌
「ギャラリー北のモンパルナス」へのアクセス
・地下鉄東西線「琴似駅」5番出口から約370メートル、徒歩5分
・JR琴似駅から約860メートル、徒歩11分
・ジェイ・アール北海道バス「山の手一条通」から約810メートル、徒歩11分
(都市間高速バスや快速は停車しません)
・ジェイ・アール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約1.06キロ、徒歩14分
(都市間高速バスや快速を含む、手稲・小樽方面行きの全便が止まります)
・ジェイ・アール北海道バス「52 琴似工業高校前行き」で「八軒1条東3丁目」から約850メートル、徒歩11分
(札幌駅前=旧札幌西武前=から出ていますが、本数は1、2時間に1本しかありません)
「池袋モンパルナス」とは戦前、いまよりはひなびた地域だった池袋の西側に、画学生用のアトリエつきアパートが並び、貧乏な絵描きも多く住み着いていたことに由来する通称で、名付け親は旭川・小樽ゆかりの詩人小熊秀雄だといわれている。
冒頭画像は、桐野江節雄「桜が丘パルテノン」。
木造の家がかつてたくさん建てられたアトリエ付き住宅のひとつだ。
筆者も幼い時分はこのような長屋に住んでいたので、非常に懐かしい。
「さくらが丘パルテノン」については、東京都豊島区のサイトにくわしい。
右側は長沢節「裏磐梯への道」。
長沢節は「セツ・モードセミナー」でファッション界に多数の人材を送り込んだことで知られるが、もとは池袋モンパルナスで画家としても活動していた。
彼が福島県会津の生まれと聞くと、感銘も湧いてくる。
その左は西田宏道「雪原の木立」。
西田さんは2012年に亡くなるまで豊島区内のアトリエで絵筆を執っていた、池袋モンパルナス最後の画家。
このギャラリーでも個展を開いたことがある。
左は佐田勝「裸婦」。
写実的な絵が多い会場では異色の作品で、黒く太い輪郭線が直線的に裸婦を形作っている。
1914年(大正3年)長崎生まれ、93年歿。
戦前は美術文化協会の発足に参画したが、戦後は自由美術に所属した。
なぜか2000年に、市立小樽美術館市民ギャラリーで個展が開かれている。
中央の小品は朝井閑右衛門「ギター弾き」。
この画家(1901~83)は「異色」とか「孤高」といわれ、生前は個展もほとんどやらない人だったこともあり、筆者はたまに小品を見かける程度で、どこらへんが「異色」なのか、その正価が分からないままである。
右は高畠達四郎「リュクサンブール公園」。
高畠は独立美術の創立会員。
左は鈴木新夫「五郎窪(江古田の田園)」。
薄暗くて、ちょっと湿っぽさを感じられる風景。
地図で見ると、西武池袋線東長崎駅の近くに「五郎久保稲荷神社」というのがあるので、その近辺の情景だと思われる。
池袋モンパルナスから1キロ足らずのところに、こんな水田があったとは、現代の東京の膨張ぶりを知る者にとっては驚きだ。
鈴木(1915~80)は福島県生まれ、新制作の会員。
そのとなりは、春日部たすく「うろこ雲流る」。
春日部(1903~85)も福島県会津若松市生まれ。
日本水彩画会をへて、水彩連盟の設立に参画した。
右の石膏デッサンは、靉光あいみつの「カラカラ帝素描」。
デッサンとはいえ、靉光の未発表作はとても珍しい。
左から川口軌外「港の船」、井上長三郎「チェリスト」、一木万寿三「日本橋風景」。
一木は滝川出身で全道展の創立会員なので、知っている人も多いだろう。
このほか、裸婦で有名な古沢岩美の風景画「アムステルダムの道」や、丸木位里、丸木俊、里見勝蔵、麻生三郎、田中佐一郎、福沢一郎らの作品が展示されている。
2019年4月2日(火)~5月31日(金)午前11時~午後6時、日月祝日休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3 ameblo.jp/kita-mont/)
関連記事へのリンク
ギャラリー北のモンパルナスが復活 =新装オープン記念企画展は上期が2018年3月、下期が4月3~28日、札幌
「ギャラリー北のモンパルナス」へのアクセス
・地下鉄東西線「琴似駅」5番出口から約370メートル、徒歩5分
・JR琴似駅から約860メートル、徒歩11分
・ジェイ・アール北海道バス「山の手一条通」から約810メートル、徒歩11分
(都市間高速バスや快速は停車しません)
・ジェイ・アール北海道バス、中央バス「西区役所前」から約1.06キロ、徒歩14分
(都市間高速バスや快速を含む、手稲・小樽方面行きの全便が止まります)
・ジェイ・アール北海道バス「52 琴似工業高校前行き」で「八軒1条東3丁目」から約850メートル、徒歩11分
(札幌駅前=旧札幌西武前=から出ていますが、本数は1、2時間に1本しかありません)