(承前)
せっかくの機会なので、旭川までは特急「オホーツク」で行き、そこから名寄までは、道北バスの急行「名寄線」に乗ることにした。
これまでも書いてきたことだが、筆者は「急行」という言葉の響きにあこがれをもっている。
JRから急行列車がなくなったいま、急行は路線バスにしか残っていない。
特急列車や都市間高速バスほどには「目的地まっしぐら」ではなく、かといって鈍行や一般の路線バスほど遅くもないのが魅力だと思う。
道内では、札幌ー千歳(中央バス)や札幌ー夕張(夕鉄バス)、ニセコバスの小樽線に乗ってきた筆者である。名寄線にもずっと乗りたかった。
朝6時出発。
まだ地下鉄駅へのバスがないので、駅まで二十数分かけて歩く。
特急「オホーツク」自由席は3割か4割程度の乗車率だった。
5割を超すと、となりに人が来るし、あんまり少ないとJRの経営が心配になってくるので、ちょうどよいあんばいだと思う。
札幌ー旭川間の鉄道はもう何十回も乗っているので、とくに書くことはない。
乗客の半数以上は筆者と同様、旭川で降りてしまった。
以前は旭川のバスターミナルは、道路を渡ったところにあったが、現在は駅前に整備されてとても利用しやすくなっている。
名寄線の系統番号は「1」「2」で、1が急行、2が普通になっている。
こちらの時刻表(pdf)によると、急行は1日5往復で2時間16分、普通は6往復で2時間38分かけて、両市をむすんでいる。
高速道は通らない。
また、平日と日曜で本数は変わらない。
バスは筆者を含めて乗客9人を乗せて旭川駅前を出発。
車体は2人がけシートの比較的新しいものだが、坐席上部に白い布は掛かっていない。
しばらく緑橋通りを行き、ロータリーを通る。
その前の9条通8丁目の道ばたに野外彫刻があるのが見える。
旭橋を渡ると、そこにも大きな石の彫刻が置かれている。山谷さんの作品かもしれない。
そこから先はしばらく国道40号を行く。
ただし結論から言うとこの路線は、中長距離を走る路線バスにありがちな、国道や幹線道道をずっと走って時おり鉄道の駅やターミナルに迂回するーというルートはとらず、しょっちゅう国道を離れて市街地に寄ったり、水田の中の細い道を何度も曲がったりと、なかなか不思議な順路をたどっていた。
それでいて、これも地方のバス路線にありがちな「駅・ターミナルから国道まで、いま通ったばかりの道を戻る」というところも全くなかったので、時間がむだにかかった感じはしない。それより、よくこんな複雑なルートを設定したなあと感心してしまう。
また、けっこうJRの駅に近づくところもあるのだが、明確に「●●駅(前)」をうたっているのは旭川、士別、名寄だけというのもおもしろい。
最初に国道から横道にそれたのは、比布町市街。
比布・愛別どまりの便も1日12往復走っており、JRの普通列車もあるので、旭川に出るにはかなり便利なマチだといえそう。
蘭留らん る の手前で国道に戻り、塩狩峠を越える。
和寒に近づくと、倉庫街の中を抜けて駅の近くにある和寒ターミナルに到着。
ここが中間点らしく、トイレ休憩が数分間ある。
こういう休憩時間は、ほかにも旭川ー東川線など、設けている路線が道内にいくつかあるが、無賃乗車する人がいないのだろうかと心配になってくる。
バスは剣淵の道の駅を過ぎた後、左に曲がり、剣淵町市街を抜ける。
そこで右折し、道道を北上。犬朱別川にかかる難波田橋をわたって、士別市南士別町に入る。
そのまま道道を通るのなら「名越大橋」を渡るはずだが、なぜか左折して、市立博物館のそばを通ってから剣淵川を渡って士別市内に入っていく。
士別駅周辺の倉庫も何棟も並んでいて壮観である。観光資源になりそうな気がする。
ここからしばらくは国道40号を北上するが、風連を過ぎたあたりで東に入る。
風連の市街は空き店舗が多い。
そこから名寄市大通につながる道路を直進し、国道に戻らないまま、名寄駅前で終点となる。
1350円。
停留所は次の通り。
旭川駅
市役所前(アナウンスは旭川市役所前)
護国神社前
花咲町7丁目
1条3丁目(アナウンスは東鷹栖1条3丁目)
1線13号
比布
蘭留
塩狩
和寒(アナウンスは和寒ターミナル)
東剣淵研修館前
剣淵
運動公園前
士別駅前
大通6丁目
大通1丁目
道北自動車学校前
42線(アナウンスは下士別42線)
多寄
道の駅なよろ
風連
21線
大通11丁目
名寄駅前
これでも、通過する停留所のほうがはるかに多い、急行らしい路線だった。
(この項続く)
せっかくの機会なので、旭川までは特急「オホーツク」で行き、そこから名寄までは、道北バスの急行「名寄線」に乗ることにした。
これまでも書いてきたことだが、筆者は「急行」という言葉の響きにあこがれをもっている。
JRから急行列車がなくなったいま、急行は路線バスにしか残っていない。
特急列車や都市間高速バスほどには「目的地まっしぐら」ではなく、かといって鈍行や一般の路線バスほど遅くもないのが魅力だと思う。
道内では、札幌ー千歳(中央バス)や札幌ー夕張(夕鉄バス)、ニセコバスの小樽線に乗ってきた筆者である。名寄線にもずっと乗りたかった。
朝6時出発。
まだ地下鉄駅へのバスがないので、駅まで二十数分かけて歩く。
特急「オホーツク」自由席は3割か4割程度の乗車率だった。
5割を超すと、となりに人が来るし、あんまり少ないとJRの経営が心配になってくるので、ちょうどよいあんばいだと思う。
札幌ー旭川間の鉄道はもう何十回も乗っているので、とくに書くことはない。
乗客の半数以上は筆者と同様、旭川で降りてしまった。
以前は旭川のバスターミナルは、道路を渡ったところにあったが、現在は駅前に整備されてとても利用しやすくなっている。
名寄線の系統番号は「1」「2」で、1が急行、2が普通になっている。
こちらの時刻表(pdf)によると、急行は1日5往復で2時間16分、普通は6往復で2時間38分かけて、両市をむすんでいる。
高速道は通らない。
また、平日と日曜で本数は変わらない。
バスは筆者を含めて乗客9人を乗せて旭川駅前を出発。
車体は2人がけシートの比較的新しいものだが、坐席上部に白い布は掛かっていない。
しばらく緑橋通りを行き、ロータリーを通る。
その前の9条通8丁目の道ばたに野外彫刻があるのが見える。
旭橋を渡ると、そこにも大きな石の彫刻が置かれている。山谷さんの作品かもしれない。
そこから先はしばらく国道40号を行く。
ただし結論から言うとこの路線は、中長距離を走る路線バスにありがちな、国道や幹線道道をずっと走って時おり鉄道の駅やターミナルに迂回するーというルートはとらず、しょっちゅう国道を離れて市街地に寄ったり、水田の中の細い道を何度も曲がったりと、なかなか不思議な順路をたどっていた。
それでいて、これも地方のバス路線にありがちな「駅・ターミナルから国道まで、いま通ったばかりの道を戻る」というところも全くなかったので、時間がむだにかかった感じはしない。それより、よくこんな複雑なルートを設定したなあと感心してしまう。
また、けっこうJRの駅に近づくところもあるのだが、明確に「●●駅(前)」をうたっているのは旭川、士別、名寄だけというのもおもしろい。
最初に国道から横道にそれたのは、比布町市街。
比布・愛別どまりの便も1日12往復走っており、JRの普通列車もあるので、旭川に出るにはかなり便利なマチだといえそう。
蘭留らん る の手前で国道に戻り、塩狩峠を越える。
和寒に近づくと、倉庫街の中を抜けて駅の近くにある和寒ターミナルに到着。
ここが中間点らしく、トイレ休憩が数分間ある。
こういう休憩時間は、ほかにも旭川ー東川線など、設けている路線が道内にいくつかあるが、無賃乗車する人がいないのだろうかと心配になってくる。
バスは剣淵の道の駅を過ぎた後、左に曲がり、剣淵町市街を抜ける。
そこで右折し、道道を北上。犬朱別川にかかる難波田橋をわたって、士別市南士別町に入る。
そのまま道道を通るのなら「名越大橋」を渡るはずだが、なぜか左折して、市立博物館のそばを通ってから剣淵川を渡って士別市内に入っていく。
士別駅周辺の倉庫も何棟も並んでいて壮観である。観光資源になりそうな気がする。
ここからしばらくは国道40号を北上するが、風連を過ぎたあたりで東に入る。
風連の市街は空き店舗が多い。
そこから名寄市大通につながる道路を直進し、国道に戻らないまま、名寄駅前で終点となる。
1350円。
停留所は次の通り。
旭川駅
市役所前(アナウンスは旭川市役所前)
護国神社前
花咲町7丁目
1条3丁目(アナウンスは東鷹栖1条3丁目)
1線13号
比布
蘭留
塩狩
和寒(アナウンスは和寒ターミナル)
東剣淵研修館前
剣淵
運動公園前
士別駅前
大通6丁目
大通1丁目
道北自動車学校前
42線(アナウンスは下士別42線)
多寄
道の駅なよろ
風連
21線
大通11丁目
名寄駅前
これでも、通過する停留所のほうがはるかに多い、急行らしい路線だった。
(この項続く)