落ち着いた筆で身近な植物を丹念に描く斎藤由美子さん。
毎年、札幌市資料館で個展を開いているほか、同館で毎年開かれる「こもれび会」展に参加しています。また、西岡の喫茶店でも時折展示しているようです。
斎藤さんの絵は、一見ボタニカルアートのようにも見えます。
光の強弱がほとんどなく、平坦な光線のもとで描写されているのも一因でしょう。
しかし、ボタニカルアートが背景を白く飛ばして、その植物のみを図鑑のように取り上げているのに対し、斎藤さんの絵は、あくまでその場所を描いているところが異なります。
しかも、庭園に咲き誇る華麗なバラや桜よりも、道端のささやかな草花をモティーフにしていることが多いため、しぜんと見下ろす視線の絵になります。
そうなると、背景が空ではなく、地面になるため、一般的な風景画や静物画のようにはバックが描かれなくなり、透視図法的な構図から解放された平面的な画面になるのです。
さらにいえば、斎藤さんの大きめの絵は、ひとつの草花に焦点を当てるというより、そのあたりに繁茂している植物全体を、強弱をつけずに描写していることも、透視図法的な構図とはあまり縁がない理由になっていると思います。
もちろん、目とおなじくらいの高さの植物を描くこともあるので、そういうときはバックは白になりますが、そういう場合でも、生い茂る植物のすき間に垣間見える程度です。
冒頭画像の右側の「シャクナゲ」は、背景を紺色に塗っており、珍しいです。
ちなみに左側は「陽だまり」(20号)。
北大植物園の一角に材を得た、小さな草花に心を寄せている、斎藤さんらしい作品です。
右端は「アカツリ草の咲く庭」。
新川桜並木の散歩道の光景です。
そのとなりは「石楠花」。
石積みのへいの上に咲いている花は、北25条ちびっこ公園で見たものだそうです。
3枚目の右端は「散歩道 II」。
タチアオイを中心に、道端に生えている草を描いています。
「北24西14の公務員宿舎近辺」とのことですが、そのあたりは、つい数時間前に歩いてきたばかりなので、なんだかふしぎな感じがしました。
上の2枚は「山葡萄」「ラズベリー」でいずれも3号。
下の2枚は「葉桜」「ナスタチャム」で、どちらも4号。
「葉桜」は、先に述べた「シャクナゲ」と同様、背景を紺色で処理しています。
窓際で、外の光が額のガラスに反射してうまく写真が撮れなかったのですが、この画像の左側にあった「春風薫る」という20号の絵は、手前にライラックの紫の花が、奥には針葉樹や広葉樹の木の幹が、重なり合うように描かれていました。
斎藤さんの絵としてはちょっと異質な感じもしますが、透視図法的な奥行きを欠いていることや、あえて中心を設けずに構図を組み立てていることは、彼女らしいとも思います。
「北27西13 開発宿舎」の光景だそうです。
そのほかの作品は
「立葵 II」「葡萄 II」「ブルーベリー」「小梅」「やっぱり蕗が好き!」
など。
なお、6月11日から20日までは、斎藤さんを含む2人展となります。
コーヒーもおいしいので、お時間のある方はどうぞ。
2019年6月1日(土)~10日(月)午前8時~午後7時(最終日~5時)、日曜休み
喫茶 十字館(札幌市豊平区西岡3の9)
関連記事へのリンク
■第16回斎藤由美子水彩画作品展 (2017)
■斎藤由美子 水彩画作品展 (2017年6月)
■第14回斎藤由美子水彩画展 (2015)
■第13回斎藤由美子水彩画作品展 (2014)
■第8回斎藤由美子水彩画作品展 (2009)
※以下、画像なし
■第6回(2007年)
■第16回こもれび会展(2007年)
■第14回こもれび会展(2006年)
■第10回木もれ日会展
■2003年の個展
■第8回木もれび会展(2003年)
■第7回木もれび会展(2002年)
カフェギャラリー十字館への行き方(アクセス)
・中央バスで「西岡3条10丁目」から約230メートル、徒歩3分
(地下鉄南北線「澄川駅」「真駒内駅」、東豊線「月寒中央駅」「美園駅」、東西線「大谷地駅」「南郷18丁目駅」などからのバスがあります。札幌駅前など都心部からの直通便も昼間1時間に4本あり)
(駐車場もあります)
・地下鉄南北線澄川駅から約2.2キロ、徒歩29分
毎年、札幌市資料館で個展を開いているほか、同館で毎年開かれる「こもれび会」展に参加しています。また、西岡の喫茶店でも時折展示しているようです。
斎藤さんの絵は、一見ボタニカルアートのようにも見えます。
光の強弱がほとんどなく、平坦な光線のもとで描写されているのも一因でしょう。
しかし、ボタニカルアートが背景を白く飛ばして、その植物のみを図鑑のように取り上げているのに対し、斎藤さんの絵は、あくまでその場所を描いているところが異なります。
しかも、庭園に咲き誇る華麗なバラや桜よりも、道端のささやかな草花をモティーフにしていることが多いため、しぜんと見下ろす視線の絵になります。
そうなると、背景が空ではなく、地面になるため、一般的な風景画や静物画のようにはバックが描かれなくなり、透視図法的な構図から解放された平面的な画面になるのです。
さらにいえば、斎藤さんの大きめの絵は、ひとつの草花に焦点を当てるというより、そのあたりに繁茂している植物全体を、強弱をつけずに描写していることも、透視図法的な構図とはあまり縁がない理由になっていると思います。
もちろん、目とおなじくらいの高さの植物を描くこともあるので、そういうときはバックは白になりますが、そういう場合でも、生い茂る植物のすき間に垣間見える程度です。
冒頭画像の右側の「シャクナゲ」は、背景を紺色に塗っており、珍しいです。
ちなみに左側は「陽だまり」(20号)。
北大植物園の一角に材を得た、小さな草花に心を寄せている、斎藤さんらしい作品です。
右端は「アカツリ草の咲く庭」。
新川桜並木の散歩道の光景です。
そのとなりは「石楠花」。
石積みのへいの上に咲いている花は、北25条ちびっこ公園で見たものだそうです。
3枚目の右端は「散歩道 II」。
タチアオイを中心に、道端に生えている草を描いています。
「北24西14の公務員宿舎近辺」とのことですが、そのあたりは、つい数時間前に歩いてきたばかりなので、なんだかふしぎな感じがしました。
上の2枚は「山葡萄」「ラズベリー」でいずれも3号。
下の2枚は「葉桜」「ナスタチャム」で、どちらも4号。
「葉桜」は、先に述べた「シャクナゲ」と同様、背景を紺色で処理しています。
窓際で、外の光が額のガラスに反射してうまく写真が撮れなかったのですが、この画像の左側にあった「春風薫る」という20号の絵は、手前にライラックの紫の花が、奥には針葉樹や広葉樹の木の幹が、重なり合うように描かれていました。
斎藤さんの絵としてはちょっと異質な感じもしますが、透視図法的な奥行きを欠いていることや、あえて中心を設けずに構図を組み立てていることは、彼女らしいとも思います。
「北27西13 開発宿舎」の光景だそうです。
そのほかの作品は
「立葵 II」「葡萄 II」「ブルーベリー」「小梅」「やっぱり蕗が好き!」
など。
なお、6月11日から20日までは、斎藤さんを含む2人展となります。
コーヒーもおいしいので、お時間のある方はどうぞ。
2019年6月1日(土)~10日(月)午前8時~午後7時(最終日~5時)、日曜休み
喫茶 十字館(札幌市豊平区西岡3の9)
関連記事へのリンク
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■第14回斎藤由美子水彩画展 (2015)
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■第8回斎藤由美子水彩画作品展 (2009)
※以下、画像なし
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■第14回こもれび会展(2006年)
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■第8回木もれび会展(2003年)
■第7回木もれび会展(2002年)
カフェギャラリー十字館への行き方(アクセス)
・中央バスで「西岡3条10丁目」から約230メートル、徒歩3分
(地下鉄南北線「澄川駅」「真駒内駅」、東豊線「月寒中央駅」「美園駅」、東西線「大谷地駅」「南郷18丁目駅」などからのバスがあります。札幌駅前など都心部からの直通便も昼間1時間に4本あり)
(駐車場もあります)
・地下鉄南北線澄川駅から約2.2キロ、徒歩29分