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遠軽、湧別、佐呂間の話

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 筆者が7月から勤務する(実際は28日からもう働いている)北海道新聞遠軽支局の管轄は、オホーツク管内の遠軽えんがる、湧別ゆうべつ、佐呂間の3町である。

 おおまかにいえば、遠軽町は2万人、湧別町は9千人、佐呂間町は5千人。
 面積はそれぞれ1300平方キロ、500平方キロ、400平方キロ。
 3町合わせると、東京都や大阪府よりも広い。
 ここを、支局長と支局員の2人で受け持つ。

 たしかに広大だが、北海道新聞の支局はどこもこんな感じである。



 遠軽町は2005年に、遠軽、生田原、丸瀬布まるせっぷの3町と白滝村が合併して発足した。
 湧別町は2009年に、湧別町と上湧別町が合併してできた。
 ちょっと前までは、ひとつの支局で7町村を担当していたのだ。

 このうち、湧別町はオホーツク海とサロマ湖に、佐呂間町はサロマ湖に、それぞれ面している。
 サロマ湖は、琵琶湖、霞ケ浦に次いで日本で3番目に広い湖であり、ホタテやカキの養殖が盛んである。

 湧別、佐呂間は酪農業も盛んだ。
 また、旧上湧別町はチューリップ公園が観光名所として知られ、屯田兵が開拓の基礎を築いた。

 遠軽町は道内でも古い陸上自衛隊の駐屯地がある(1952年創設。当時は警察予備隊)。
 「えんがる」の名は、駅の裏にある瞰望岩がんぼういわ(アイヌ語で「インカルシ」とも)に由来する。遠軽町のシンボルとしてそびえ立っており、列車の車窓からも目立つ。

 旧生田原町は、木のおもちゃがたくさんある「ちゃちゃワールド」やオホーツク文学館、旧丸瀬布町は昆虫の館や、日本で唯一森林鉄道のSL(雨宮21号)が動態保存されている「森林公園いこいの森」、旧白滝村は国内屈指の黒曜石産地として知られるジオパークなど、見どころが多い。

 かつては、遠軽駅は、石北本線と名寄本線の分岐点で、交通の要衝であった。
 また、旧上湧別町の中湧別駅は、名寄本線と湧網線ゆうもうせんが十字路をなし、機関区もあった。
 しかし、国鉄からJRになる頃の廃止ラッシュで、いまは石北本線しか走っていない。

 遠軽駅には特急列車が1日4往復やって来る(冒頭画像)。
 線路の形状の都合で、ここで列車の向きが反対方向に変わる。

 なお、高速道路は建設が進んでおり、現在、遠軽町瀬戸瀬まで到達している。
 近いうちに、遠軽インターチェンジまで完成し、札幌や大沼まで高速道路だけを走って行くことが可能になる。


 つまり、鉄道の影が薄くなり自衛隊が存在感を相対的に増しているのかもしれない。
 林業、酪農、漁業(ホタテ養殖など)といったあたりが基幹産業になるのだろう。


 特筆すべきは寒暖差の激しさで、ことしの5月29日、佐呂間で39.5度を記録した。これは、5月の国内最高気温であり、北海道の史上最高気温でもある。
 しかし、冬は北見と同様寒く、氷点下20度以下は日常茶飯事である。
 もちろんオホーツク海なので、冬には流氷がやって来る(網走や紋別のように観光に役立てようという話はあまり聞かない)。


 温泉はいくつもあるし、景色は美しいし、花の名所は多いし(上湧別のチューリップのほか、遠軽のコスモス、丸瀬布のフジも有名)、住むには良いところだと思う。
 仕事がなければ…。

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