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■喜井豊子 革展 (2019年5月23日~6月18日、札幌)

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 札幌で見た展覧会を、終了後だいぶたってから紹介するシリーズその2。 
 革工芸作家・喜井豊子さんの個展は会期が始まってすぐ見に行き、それからずうっと放置していたので、罪が重い。

 冒頭画像は「ジンク 伊福部昭作曲「土俗三連画」の1 同街の女達」。

 「ゴジラ」で有名な北海道出身の作曲家、伊福部昭にインスパイアされたもののよう。

 こちらは「秋の三重奏」。

 この大作、どこかで見たことがあるな~と思っていたら、1995年に制作したものを後に修復し、さらに今回アクリル絵の具で色を補ったもの。

 喜井さんの作品は、一般的な革工芸というイメージから想像するよりもはるかに色が鮮やかだ。
 もっぱら染料を用いているが、このように絵の具も使うことがあるらしい。
 弦楽器やピアノの鍵盤を主要なモティーフに、彩度の高い色を全面にまんべんなくちりばめていて、豪華な印象を受けた。


 こちらは「デューラーの多面体」と「エッシャーの多面体」。

 喜井さんの活動のもうひとつの柱が、不思議な絵で知られる人気版画家M.C.エッシャーの研究。
 とくにエッシャーとジャポニスムとの関連について長年調べている。
 今回も「M.C.エッシャーとジャポニスム絵巻物」という、手製の絵巻物作品が出品されていた。広げると長さ7.5メートルになるそうで、喜井さんとしては、研究の集大成になるだろう。

 また、エッシャー作品に題材を得た作品が何点か並んでいる。
 エッシャーは幾何学的な多面体をよく作品に描いていた。

 デューラーのほうは、いうまでもなく、15~16世紀のドイツ圏で活動した巨匠画家・版画家。
 彼の代表作に「メランコリア」というのがあり、ほおづえをつく天使の近くに、なにに使うのかよくわからない多面体が転がっている。
 喜井さんが作ってつるしているのは、それだろうと思うのだが、エッシャーもデューラーも元の作品には色はついていない。




 緑の手提げ。
 工芸なので、平面のほか、ペンダントやピアス、ストラップなども会場に並んでいた。


 筆者は喜井さんの作品を見るのは7年ぶりだが、お元気そうなので安心した。


2019年5月23日(木)~6月18日(火)正午~午前0時(日曜~午後9時)、水曜・6月4日休み
CAFE ESQUISSE(中央区北1西23 メゾンドブーケ円山 cafe-esquisse.net )

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喜井豊子個展 (2007)
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