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Channel: 北海道美術ネット別館
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■アトリエBee hive展 2014(4月19〜27日、札幌)

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 アトリエBee hiveは、札幌市西区八軒にある共同アトリエとのこと。
 今回の出品者は、次の通り。

齊藤由貴 佐々木けいし 佐々木仁美 佐藤あゆみ 辻有希 富樫麻美 菱野史彦 松田郁美 森まゆみ 吉成翔子

 最年長は佐々木けいしさんで、道教大で金工を教えている。
 そのせいか、メンバーには金工の作家が多い。けいしさん以外はみな若手といっていいだろう。
 金属作品の制作は、騒音が出たりして、一般の自宅ではなかなかむつかしい場合が多いと聞く。
 どんな分野の作家でも、大学・専門学校では制作スペースがあったのに、いざ卒業などで学校を離れると、アトリエの確保に頭を悩ませている人は多かろう。それを思うと、共同で郊外に制作場所を借りるというのは、一計だと思う(八軒というのは、それほどの郊外でもないが)。

 ただ、こうして毎年、共同アトリエが展覧会を開いているのは、少なくても札幌圏では他に例がない。

 2会場のうち、茶廊法邑 さ ろうほうむらはおもに大作を、品品法邑は販売用の商品を展示している。もっとも、品品のほうにも、齊藤さんの絵画がびっくりするような高い位置の壁にかかっていたりして、小物一辺倒ということではないようだ。

 茶廊のほうでは、松田郁美さんの「Float」に注目した。
 重量感と浮遊感の両立という、本来であれば絶対にありえないような作品のありかたに、果敢に挑んでいるのがすごい。同時に、存在感のある球形でありながら、中心まで透けて見えるというあり方にも感服した。鉄という素材の特色をがっちりとつかんだ上で、単に重々しいだけではない作品にしようと試みている。
 吉成翔子さんは、厚い歯車を組み合わせた作品。最近、札幌芸術の森美術館の「アクアライン」展など、曲線を生かした軽いインスタレーションが目立っていたので、実在感のあるどっしりした作品のありようを忘れていないことがわかって、ホッとした。

 終了日になってしまったのが悔やまれる。
 来年も開かれるなら、もっと早めに行こう。


2014年4月19日(土)〜27日(日)午前10時〜午後6時(最終日〜午後5時)、火曜休み
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)・品品法邑(同本町1の2)の2会場

http://atelier-beehive.com

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