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■第14回斎藤由美子水彩画展 (2015年11月10~15日、札幌)

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 札幌で水彩画に取り組んでいる斎藤由美子さんが今年も札幌市資料館で個展を開きました。

 彼女の絵については、これまでも何度か記しているので、今年あらためてくわしく述べる必要はないでしょう。
 特徴として

・身近な風景や、足元の草花をモティーフとしている。雄大な自然や海外の風景は描かない

・中心と周縁の区別がつきがたい構図の絵が少なくない。結果として、画面を覆う植物が装飾的な効果を挙げる場合がよくある

・人物は全く登場しない。静物画もほとんどない

・光の調子がフラットで、陰影を欠いた絵が多い

といったことが挙げられるでしょう。



 「散歩道」
 北区北25条西14丁目付近とのこと。
 おそらく斎藤さんは意識しておられないでしょうが、旧琴似川がかつて流れていた跡の近くです。

 先に挙げた特徴のうち、最後のポイントはとくに目を引きます。

 水彩に限らず、濃い色を差したり、陰影をダイナミックにすると、その絵は上手に見えます。
 斎藤さんは、そういう「上手に見えるコツ」に頼らず、対象をこつこつと写生することで、きっちりと作品を仕上げているのです。
 陰影にとぼしく、全体に明るい調子が満ちていることで、遠目には、最近流行の、ハイキーの女の子写真のように見えるのが、おもしろいところです。




 左手前は「秋彩」。
 道立近代美術館の北側を描いた40号の作。
 先に、陰影にとぼしいと書きましたが、明るいところと暗いところの調子のつけかたには、さすがというしかありません。

 その右となりは「霜月の候」。
 知事公館の庭に、雪が降った11月の光景。40号です。

 今回、目を引いたのは「きみちゃん」(4号)。
 シスターの女性の立像です。やわらかな表情からすると、友人でしょうか。
 斎藤さんが人物を描いたのを見たのは、はじめてです。


 いまのところ、斎藤さんの絵を賞賛しているのは筆者のブログだけです。一人でも多く彼女の絵の魅力に触れてほしいと思います。


 ほかの作品は次のとおり。

50号 花川マリア院の庭(石狩市花川南3条5丁目)
30号 石道家の庭  秋陽(北海道大学植物園)
20号 緑雨のあと II(北海道大学植物園) 春風薫る
10号 ジギタリスの咲く庭  月居家の庭
8号  家庭菜園
4号  ひと休み  黄昏(札幌市資料館北側) シロツメ草  葡萄 I  葡萄 II  桔梗  立葵  ナナカマド
3号  向日葵
SM ブルーベリー  柿  押さないで


2015年11月10日(火)~15日(日)午前10時~午後6時(最終日~5時)、札幌市資料館(中央区大通西13)

関連記事へのリンク
第13回斎藤由美子水彩画作品展 (2014)

第8回斎藤由美子水彩画作品展 (2009)
※以下、画像なし
第6回(2007年)
第16回こもれび会展(2007年)
第14回こもれび会展(2006年)
第10回木もれ日会展
2003年の個展
第8回木もれび会展(2003年)
第7回木もれび会展(2002年)

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