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「日経おとなのOFF」1月号特集「絶対見逃せない2019美術展」

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 来年1年間に開かれる美術展の特集号を、ことしも買ってきました。

 本屋さんに行くと、似たようなムックや雑誌が目に入ります。
 ほかのも購入して、比較検討したほうがいいのでしょうか。
 なお、書店の店頭には、2018年版のムックがまだ並んでいることがあります。間違えて買わないように気をつけてください。

 「日経おとなのOFF」は税別820円。
 雑誌本体のほか、B5クリアファイル(右上)、カレンダー(左)、「美術展100ハンドブック」が付録についているので、かなりお得だと思います。
 お店によってはすでに売り切れているようです。

 この特集は毎年、読み応えはあるのですが、取り上げている展覧会が、どうしても大都市圏のブロックバスター(宣伝も観客動員も多い大型の展覧会)が中心で、北海道は蚊帳の外というきらいがありました。
 それが今年は、道内で予定されている美術展が二つ掲載されているのです。

 ひとつは、すでに情報が流れていますが、カラヴァッジョ展です。
 道立近代美術館で8月10日~10月14日に開かれ、その後、名古屋市、あべのハルカスの各美術館に巡回します。ということは、東京を素通りして札幌・名古屋・大阪開催ということで、珍しいパターンです。

 日本初公開の作品が3点あり、各会場で1点ずつ展示されるとのことで、熱狂的なカラヴァッジョのファンは全国を回らなくてはなりませんね。札幌で公開されるのは「病めるバッカス」=画像左=。1593年頃に描かれた、ボルゲーゼ美術館の所蔵品です。
 そのほか「マグダラのマリア」(1606)、「女占い師」(1597、札幌のみ)、「リュート弾き」(1596~97ごろ)などが見られそうです。
 カラヴァッジョ(1571~1620)については、ここであらためて説明の必要はないでしょう。光と影を強調したドラマチックな画風で、ルネサンス後の西洋絵画の歴史を変えたイタリアの画家です。殺人の罪を犯して、逃亡先で客死するなど、他にちょっとないような経歴の持ち主でもあります。
 同誌によると、カラヴァッジョの現存する作品は60点強しかないとのこと。おそらく、カラヴァッジョだけではなく、同時代の画家の作品も含むのでしょうが、いずれにしても、印象派よりも前の西洋画の巨匠の個展が道内で開かれるのは貴重な機会で、期待が膨らみます。

 ふたつめは、奇蹟の芸術都市バルセロナ展。
 4月から長崎県、姫路市(兵庫県)を回った後、札幌芸術の森美術館で9月14日~11月4日に開催されます(その後、静岡市美術館に巡回)。
 スペイン・カタルーニャといえば、ガウディやピカソゆかりのマチですが、同誌の別冊によれば
<映像、写真、図面、家具、宝飾品、彫刻など多彩なジャンルの展示から、この都市の芸術文化を探っていく。ダリやジョアン・ミロら、バルセロナに縁のある巨匠の絵画も充実>
とのことです。

 このほか、マネ「フォリー=ベルジェールのバー」やルノワール「桟敷席」などが展示される「コートールド美術館展」、日本に返却されなかったゴッホ「アルルの寝室」などもあわせてフランスからやってくる「松方コレクション展」、「クリムト展 ウィーンと日本1900」「寄贈の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」などが紹介されているので、詳しくは同誌をご覧ください。
 個人的には、ひろしま美術館と東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館を巡回する「シャルル=フランソワ・ドービニー展」が気になります。

 あとは、年があけて1月20日ごろ発売の「美術の窓」2月号をチェックすることになりそうです。


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