雪道を踏んで、住宅地の中にある小さな家を改造したギャラリーへと赴く。
なかに入ると、小さな絵が横一列に壁の同じ高さに、等間隔に44点並んでいた。大きさは縦125ミリ、横145ミリ。
額装や題名は一切ない。略歴もステイトメント(作者のことば)もない。実にすっきりした会場だ。
モティーフが明らかな作品も1点もない。
さまざまな色の領域が配されている。カラーフィールドペインティングでもポロックやデ・クーニングふうの熱い抽象でもない。ことばで説明するのが難しいいろいろなタイプの抽象画が展示されている。
一点一点を眺めていると、藍色の作品は夜空を思わせるし、色の帯がなんとなく横長に伸びている絵は風景のように見えてくる。繰り返すが、具体的に窓だったり人物だったりを指し示すようなものはなにひとつ描かれていない。しかし、それぞれの画面が宿している宇宙は、作品サイズを思えば驚くほどに、広大に感じられる。
各作品が面相筆で細密に描かれているというわけでもないのに、この広がりは、どうやって出てくるのだろうと思う。
少し下がって、全体を見渡すと、まったくばらばらに見えた画風の作のうち、類似のものが複数あることに気づく。
わりと似た藍色の作品が、あちこちに分散して掛かっているのだ。
最初から1点ずつ見ていくと、うっかり見過ごしてしまいそうな類似だ。
ギャラリーの宮下さんによると、作者は働きながら育児もしているそうで、大きな作品に取りかかる余裕がないらしい。
「日記のような絵ですよね」
そう聞くと、各作品がいっそういとおしいものに思われてくるのだ。
一年の最後に、ささやかだけれど良い個展を見たと思う。
2018年12月12日(水)~30日(日)正午~午後7時(最終日~5時)
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20)
・地下鉄東西線・西18丁目駅から約690メートル、徒歩9分
・市電「西線6条」から約820メートル、徒歩11分。同「西15丁目」から約1キロ、徒歩14分(「西15丁目」電停は、地下鉄東西線「西11丁目」または「西18丁目」で乗り継ぎができます)
・ジェイアール北海道バス「53 啓明線」(JR札幌駅、大通西4-西11丁目駅-啓明ターミナル)で「南3条西20丁目」降車、約330メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス「51 啓明線」(同)で「南6条西16丁目」降車、約580メートル、徒歩8分
なかに入ると、小さな絵が横一列に壁の同じ高さに、等間隔に44点並んでいた。大きさは縦125ミリ、横145ミリ。
額装や題名は一切ない。略歴もステイトメント(作者のことば)もない。実にすっきりした会場だ。
モティーフが明らかな作品も1点もない。
さまざまな色の領域が配されている。カラーフィールドペインティングでもポロックやデ・クーニングふうの熱い抽象でもない。ことばで説明するのが難しいいろいろなタイプの抽象画が展示されている。
一点一点を眺めていると、藍色の作品は夜空を思わせるし、色の帯がなんとなく横長に伸びている絵は風景のように見えてくる。繰り返すが、具体的に窓だったり人物だったりを指し示すようなものはなにひとつ描かれていない。しかし、それぞれの画面が宿している宇宙は、作品サイズを思えば驚くほどに、広大に感じられる。
各作品が面相筆で細密に描かれているというわけでもないのに、この広がりは、どうやって出てくるのだろうと思う。
少し下がって、全体を見渡すと、まったくばらばらに見えた画風の作のうち、類似のものが複数あることに気づく。
わりと似た藍色の作品が、あちこちに分散して掛かっているのだ。
最初から1点ずつ見ていくと、うっかり見過ごしてしまいそうな類似だ。
ギャラリーの宮下さんによると、作者は働きながら育児もしているそうで、大きな作品に取りかかる余裕がないらしい。
「日記のような絵ですよね」
そう聞くと、各作品がいっそういとおしいものに思われてくるのだ。
一年の最後に、ささやかだけれど良い個展を見たと思う。
2018年12月12日(水)~30日(日)正午~午後7時(最終日~5時)
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20)
・地下鉄東西線・西18丁目駅から約690メートル、徒歩9分
・市電「西線6条」から約820メートル、徒歩11分。同「西15丁目」から約1キロ、徒歩14分(「西15丁目」電停は、地下鉄東西線「西11丁目」または「西18丁目」で乗り継ぎができます)
・ジェイアール北海道バス「53 啓明線」(JR札幌駅、大通西4-西11丁目駅-啓明ターミナル)で「南3条西20丁目」降車、約330メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス「51 啓明線」(同)で「南6条西16丁目」降車、約580メートル、徒歩8分