(承前)
2018年12月上旬に開かれた展覧会の紹介の続きです。
冒頭画像は関谷修平さん(2005年卒)。
「二度付」「時々」。
関谷さんは2005年にはバングラデシュのBHARAT BHAVEN国際版画ビエンナーレで見事グランプリに輝き、07年にはNBC国際シルクスクリーン版画ビエンナーレでもグランプリを受賞しています。
版をわずかにずらしていくことで、故意に「モアレ」を発生させるという作風が高く評価されたためですが、これほど写真に写りづらい作品をつくる人も珍しく、機会があればぜひ実物を見てほしいと思います。この写真も、ガラスへの映り込みで、なにがなんだかわからないひどいものになっていますが、作品はすごいです。
2枚目。
西牧浩一さん(2002年卒)のシルクスクリーン5枚組み。
色彩がうつろっていくさまが美しいです。
メモには「光景が●●●変わるように」とありますが、黒丸の部分が判読できません。ごめんなさい。
画像3枚目。
道都大在学中、ものすごい頻度で制作・発表を続け、現在は京都の美術系大学で教壇に立っている石井誠さん(2010年卒)。
彼が在学中に編み出した、紙版画をシルクスクリーンに応用する技法は、何人かの後継者を中島ゼミ内に生んでいることが、今回の展示でもわかりました。
もちろん石井さん自身は現在は、その手法そのままではなく、もうすこしコンセプチュアルな側面を強めた作品を制作しています。
左は「rozzta」。
たばこのハイライト(たぶんメンソール)をモティーフにしています。
ほかに「shoot 2018」「ghost 2004」
4枚目の画像は、風間雄飛さん(2005年卒)のコーナーです。
風間さんは、モティーフが判別できるかどうかというぐらいまで淡く描写するのが特徴です。そのあいまいさが、どこか懐かしく、ほんわかとしたあたたかみを漂わせます。
たとえば「ろてん」(次の画像)。
ピンク色と白のまだら模様に見えますが、どうやら露天風呂にたちこめる湯気の中で気持ちよく湯につかっている人々のようです。
画像左端は「かしこまる」だと思います。
幼児を背中から描いていますが、地のピンク色は「ろてん」に似ています。
あ、こっちの画像の左が「ろてん」ですね。
ほかに「素晴らしき日々」「3chome kaigi」「おしゃまさん」「ゆいとこ」「むちう」「どきんがん」「すたこら」「だれかれかさん」「しんしん」。
この画像の右側は松浦優香さん(2013年卒)と思われます。
猫などを描いたアクリル画の小品です。
「hex」「じゃこ」「しらす」「山と月と星」「かえりましょ」「heart」「love(thx01)」「love(thx02)」
「しらす」などは、猫の名前なのかな。
中島ゼミは「なんでもあり」というのが大きな特徴ですが、写真を出品している人もいました。
2007年卒の大山周平さんです。
左端の「石畳の街」など、5点中3点がモノクロ。
フィルムかどうかは聞き逃しましたが、明暗のはっきりした、きれいなプリントだと思いました。「石畳の街」も、異国情緒豊かな一枚に仕上がっています。
ほかに「待つ」「早く会いたいな」。
カラーは「春-薩摩富士-」「家路―指宿枕崎線 枕崎方面(下り)18時43分」。
なお「早く―」には「Nikon D600」などデータも併記されていましたが、省略します。
7枚目と8枚目はいずれも高野雪菜さん(2016年卒)だと思います。
メモには「夜の輪」が3点、「子の星」が2点、いずれもステンシルとありますが、手前の本の形状をした作品も彼女のものだと思います。
彼女の絵からは、昔呼んだ少女マンガを思い出します。きらきらした感じが、ちょっと懐かしいです。
最後、会場の片隅で、作品を縦一列という変わった陳列の仕方をしていたのが住吉直道さん(2011年卒)。
「横たわる少女」「愛を使わない女」「孤独な私の充電」
「風船村の発展」
「この世のはじまりの家」
「一度は夢を見せてあげようじゃないか」
□高野雪菜さんのサイト https://tukioibito.jimdo.com/
出品者のツイッター
@SEKIYA_Shuhei
@yuhi_kazama
@tukioibito
@gyouzamiyoshino
関連記事へのリンク
■関谷修平個展 control(2010)
■第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」 (2009年12月)
■関谷修平個展■第46回道都大学中島ゼミ展と4つの個展 版と型をめぐって(2008年)
■道都大学中島ゼミ 無窮展(むきゅうてん)=2008年
■道都大学中島ゼミ 版's SEVEN (2008年)
■関谷修平さんが第1回NBC国際シルクスクリーン版画ビエンナーレでグランプリ(2007年)
■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年)
■第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年)=画像なし
■関谷修平個展(2006年)
■第6回有限会社ナカジプリンツ (2018)
■[Synergetics] シナジェティクス (2018)
【告知】 Playground (2017年8月)
■「残響と共振」石井誠・大泉力也2人展
■道都大学中島ゼミ 版's展 (2014、画像なし)
【告知】石井誠個展 リミット #1:痕跡 (2011)
■石井誠個展-無限景 (2009)
■版画三人展(2009)
■そのさきの公園 Earthday EZO in TOOV cafe (2009年4月)
■リレー版’s展@to ov cafe (2009年3-4月)
■妖怪展(2008年3月)
■第4回法邑ギャラリー大賞展(2008年7月)
■国画会版画部北海道支部展(2008年7月)
■道都大学中島ゼミ版's展@狸小路 第1週・一文字Tシャツ展(2008年7月)
■道都大学中島ゼミ 共振展(2008年4月)
■道都大学中島ゼミ 版's SEVEN (2008年2月)
■500m美術館「まぼろし遊園・2」(2007年)
■第5回学生STEP-なんでもアリの学生アート展(2007年)
■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年)
■第3回茶廊法邑ギャラリー大賞展(2007年)
■House展 華やかな作家たち(2007年)
■学生STEP主催 卒業展(2007年)
■第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年)
■第4回学生STEP(2006年)
=石井さん
■風間雄飛展 (2016、ツイッター)
■風間雄飛個展―ろてん― (2014)
あおもり国際版画トリエンナーレで池田さん、風間雄飛さん入賞
■風間雄飛個展(2009)
■第8回有限会社ナカジテクス(2017)
=高野さん
■第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」 (2009年12月)
=住吉さん
2018年12月5日(水)~9日(日)午前10時~午後7時(最終日午後6時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
(この項続く)
2018年12月上旬に開かれた展覧会の紹介の続きです。
冒頭画像は関谷修平さん(2005年卒)。
「二度付」「時々」。
関谷さんは2005年にはバングラデシュのBHARAT BHAVEN国際版画ビエンナーレで見事グランプリに輝き、07年にはNBC国際シルクスクリーン版画ビエンナーレでもグランプリを受賞しています。
版をわずかにずらしていくことで、故意に「モアレ」を発生させるという作風が高く評価されたためですが、これほど写真に写りづらい作品をつくる人も珍しく、機会があればぜひ実物を見てほしいと思います。この写真も、ガラスへの映り込みで、なにがなんだかわからないひどいものになっていますが、作品はすごいです。
2枚目。
西牧浩一さん(2002年卒)のシルクスクリーン5枚組み。
色彩がうつろっていくさまが美しいです。
メモには「光景が●●●変わるように」とありますが、黒丸の部分が判読できません。ごめんなさい。
画像3枚目。
道都大在学中、ものすごい頻度で制作・発表を続け、現在は京都の美術系大学で教壇に立っている石井誠さん(2010年卒)。
彼が在学中に編み出した、紙版画をシルクスクリーンに応用する技法は、何人かの後継者を中島ゼミ内に生んでいることが、今回の展示でもわかりました。
もちろん石井さん自身は現在は、その手法そのままではなく、もうすこしコンセプチュアルな側面を強めた作品を制作しています。
左は「rozzta」。
たばこのハイライト(たぶんメンソール)をモティーフにしています。
ほかに「shoot 2018」「ghost 2004」
4枚目の画像は、風間雄飛さん(2005年卒)のコーナーです。
風間さんは、モティーフが判別できるかどうかというぐらいまで淡く描写するのが特徴です。そのあいまいさが、どこか懐かしく、ほんわかとしたあたたかみを漂わせます。
たとえば「ろてん」(次の画像)。
ピンク色と白のまだら模様に見えますが、どうやら露天風呂にたちこめる湯気の中で気持ちよく湯につかっている人々のようです。
画像左端は「かしこまる」だと思います。
幼児を背中から描いていますが、地のピンク色は「ろてん」に似ています。
あ、こっちの画像の左が「ろてん」ですね。
ほかに「素晴らしき日々」「3chome kaigi」「おしゃまさん」「ゆいとこ」「むちう」「どきんがん」「すたこら」「だれかれかさん」「しんしん」。
この画像の右側は松浦優香さん(2013年卒)と思われます。
猫などを描いたアクリル画の小品です。
「hex」「じゃこ」「しらす」「山と月と星」「かえりましょ」「heart」「love(thx01)」「love(thx02)」
「しらす」などは、猫の名前なのかな。
中島ゼミは「なんでもあり」というのが大きな特徴ですが、写真を出品している人もいました。
2007年卒の大山周平さんです。
左端の「石畳の街」など、5点中3点がモノクロ。
フィルムかどうかは聞き逃しましたが、明暗のはっきりした、きれいなプリントだと思いました。「石畳の街」も、異国情緒豊かな一枚に仕上がっています。
ほかに「待つ」「早く会いたいな」。
カラーは「春-薩摩富士-」「家路―指宿枕崎線 枕崎方面(下り)18時43分」。
なお「早く―」には「Nikon D600」などデータも併記されていましたが、省略します。
7枚目と8枚目はいずれも高野雪菜さん(2016年卒)だと思います。
メモには「夜の輪」が3点、「子の星」が2点、いずれもステンシルとありますが、手前の本の形状をした作品も彼女のものだと思います。
彼女の絵からは、昔呼んだ少女マンガを思い出します。きらきらした感じが、ちょっと懐かしいです。
最後、会場の片隅で、作品を縦一列という変わった陳列の仕方をしていたのが住吉直道さん(2011年卒)。
「横たわる少女」「愛を使わない女」「孤独な私の充電」
「風船村の発展」
「この世のはじまりの家」
「一度は夢を見せてあげようじゃないか」
□高野雪菜さんのサイト https://tukioibito.jimdo.com/
出品者のツイッター
@SEKIYA_Shuhei
@yuhi_kazama
@tukioibito
@gyouzamiyoshino
関連記事へのリンク
■関谷修平個展 control(2010)
■第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」 (2009年12月)
■関谷修平個展■第46回道都大学中島ゼミ展と4つの個展 版と型をめぐって(2008年)
■道都大学中島ゼミ 無窮展(むきゅうてん)=2008年
■道都大学中島ゼミ 版's SEVEN (2008年)
■関谷修平さんが第1回NBC国際シルクスクリーン版画ビエンナーレでグランプリ(2007年)
■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年)
■第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年)=画像なし
■関谷修平個展(2006年)
■第6回有限会社ナカジプリンツ (2018)
■[Synergetics] シナジェティクス (2018)
【告知】 Playground (2017年8月)
■「残響と共振」石井誠・大泉力也2人展
■道都大学中島ゼミ 版's展 (2014、画像なし)
【告知】石井誠個展 リミット #1:痕跡 (2011)
■石井誠個展-無限景 (2009)
■版画三人展(2009)
■そのさきの公園 Earthday EZO in TOOV cafe (2009年4月)
■リレー版’s展@to ov cafe (2009年3-4月)
■妖怪展(2008年3月)
■第4回法邑ギャラリー大賞展(2008年7月)
■国画会版画部北海道支部展(2008年7月)
■道都大学中島ゼミ版's展@狸小路 第1週・一文字Tシャツ展(2008年7月)
■道都大学中島ゼミ 共振展(2008年4月)
■道都大学中島ゼミ 版's SEVEN (2008年2月)
■500m美術館「まぼろし遊園・2」(2007年)
■第5回学生STEP-なんでもアリの学生アート展(2007年)
■第44回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2007年)
■第3回茶廊法邑ギャラリー大賞展(2007年)
■House展 華やかな作家たち(2007年)
■学生STEP主催 卒業展(2007年)
■第42回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって(2006年)
■第4回学生STEP(2006年)
=石井さん
■風間雄飛展 (2016、ツイッター)
■風間雄飛個展―ろてん― (2014)
あおもり国際版画トリエンナーレで池田さん、風間雄飛さん入賞
■風間雄飛個展(2009)
■第8回有限会社ナカジテクス(2017)
=高野さん
■第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」 (2009年12月)
=住吉さん
2018年12月5日(水)~9日(日)午前10時~午後7時(最終日午後6時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
(この項続く)