渡島管内長万部町の写真家集団による写真展「長万部写真道場 +プラス ローカル・カラーの時代」が、同町の学習文化センターで開かれます。
今回は、長万部写真道場の副会長を務めた澤博さん(1924~2012年)がのこしたカラーポジフィルムを、昨年の展覧会で紹介した写真とともに、紹介します。
また、昭和初期に長万部町民がアイヌ文化保存を呼びかけ発行した写真絵はがき「アイヌ古代風俗エカシケンル絵葉書」(函館中央図書館所蔵)の複製も展示します。
関連行事として、第2回写真フォーラム「北海道と写真のつらなり」を、2月24日に同センターのホールで開きます。申し込み不要、入場無料です。
午後1時半からの開会式に続く第1部は、大下智一さん(道立近代美術館学芸企画課長)が「明治・大正期の北海道・写真 残された写真から」と題して基調講演。
大下さんは道立函館美術館に在職中、写真関連の展覧会を企画し、評価されています。
休憩を挟んで2時20分からは第2部、パネルディスカッション。
「北海道・歴史・写真を捉えなおす」をテーマに、大下さん、写真家の大友真志おおともまさ し さん、批評家で明治大学理工学研究科綜合芸術系教授の倉石信乃くらいし し の さんがパネリストとなって語り合います。
大友さんは1978年、北広島生まれ。「Photographers gallery press」no.8(田本研三特集号)で責任編集を務めています。
倉石さんは横浜美術館学芸員を2007年まで務め、マン・レイ展やロバート・フランク展を担当。『反写真論』などの著書があります。詩人でもあります。
「古い写真への注目、川湯や長沼でも」という昨年5月に書いた記事でも触れましたが、昔のアマチュア写真への関心が各地で高まっています。
長万部写真道場や、後志管内共和町の前川茂利さんなどは、昭和を代表する写真界の巨匠土門拳の影響を受け、開拓の様子や先住民の暮らしに興味を抱き、地域に根ざした視点でレンズを向け続けた存在といえます。
筆者は昨年、職場でインフルエンザがはやり、2月の休日がわずか5日になってしまったため、この写真展にも足を運べませんでした。
今年は行きたいなあ。
フォーラム:2019年2月24日(日)午後1時30分
写真展:2月19日(火)~3月17日(日)午前10時~午後6時(木曜~午後8時)、月曜休み
長万部町学習文化センター(長万部町長万部411-216)
□長万部写真道場 http://occ-lab.org/
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(札幌から長万部まではJRの特急列車で2時間20分前後。普通列車は不便で、都市間高速バスの路線はありません)