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■加藤祐子展 "月夜に進む ザワザワ麦わら"(2019年4月6~21日、札幌)

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 従来の素材や発想にとらわれない染織作品に取り組む小樽の加藤祐子さん。
 道外や海外のファイバーワークの展覧会にも参加しています。

 札幌のギャラリー創では2年ぶり3度目となる個展では、麦わら帽子の素材である「真田紐」を用いて大型のインスタレーションを展開しています。

 冒頭画像、床置きの作品は「進むザワザワ」。
 白い部分は、筆者は少女のかぶる麦わら帽子についているリボンかと思いましたが、帽子そのものの素材とのこと。
 リボンよりも硬いです。
 上から見下ろしていると、網走の美術館に巡回した「テキスタイルの未来形」への加藤さんの出品作を思い出しました。
 筆者には地図のようにも見えます。

 壁にある黒い3点組みは「黒いザワザワ」。

 このタイトルが、触覚的な感じを漂わせます。


 会場奥には「白い麦わらは受け皿となる」。
 天井からつりさげたバスケットのような17点組みです。
 これも、表面の感じがざわざわというか、ゴワゴワとした感触が見ただけで伝わってきます。

 こういう、台形や五角形っぽい形の反復は、加藤さんの作品に多いと思います。

 次の画像は2点とも「真田紐に捕まった」。
 透明な樹脂製の虫かごに真田紐を詰め込んだ、ユーモラスな作品。



 このとなりには、昔話に着想を得た「鉢かつぎ姫の麦わら」という作品もありました。
 小品に「8月8日の思い出」「白いささくれの思い出」「麦わら帽子の思い出」。

 「視覚芸術」という言い方があるくらいですが、今回の加藤さんの作品はとりわけ、触ってもいないのに、触覚が刺戟されるものでした。
 しかし、よく考えてみれば、陶芸も彫刻も、「目で触って、鑑賞する」ことは、案外たいせつだったりします。


 4月13日(土)午後3時から、創作舞踏/若松由紀枝、音楽/F.H.C.かさいあつし・留美。
 予約不要、参加無料。


2019年4月6日(土)~21日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)、火曜休み
GALLERY 創(札幌市中央区南9西6)

□加藤祐子 染織造形家 http://kato-yuko.com/

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・市電「山鼻9条」から約110メートル、徒歩1~2分

・地下鉄南北線「中島公園駅」から約380メートル、徒歩5分

・ジェイ・アール北海道バス「循環啓55」「循環啓55」「循環啓65」「循環啓66」で、「南9条西7丁目」降車、約210メートル、徒歩3分
(ギャラリー門馬近くの「旭丘高校前」から「循環啓55」で直行できます)

・じょうてつバス「南9条西11丁目」から約750メートル、徒歩10分。(快速7、快速8は通過します)

・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「中島公園入口」から約650メートル、徒歩8分

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