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Channel: 北海道美術ネット別館
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■前田はるな 土から生まれた作品展 (2019年4月25~29日、札幌)

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 十年ほど前に京都から札幌に移住してきた前田さんは、札幌芸術の森の窯を使って陶芸に取り組んでいます。

 陶芸といっても、一般的な陶芸展と異なり、食器や花器などのうつわはひとつもありません。
「えっ!? これを陶でつくる?」
とビックリするようなものばかりが並んでいます。


 会場中央にすえつけられた大作「南風の吹く島」。

 舟、港、トンネル、古い旅館とリゾートホテル、みやげ物店と海の見えるカフェ、ごみ処理施設などがある島です。
 手前の船着場に着いた人は、森林浴をしながら上っていくか、車で上っていくかで、通る道路が異なります。
 こういうものを、空想をたくましくして作ってしまうのがすごいと思います。
「ろくろを使う集中力がないんですよ」
と笑う前田さんは、想像力がどんどん広がっていくタイプなのではないでしょうか。


 こちらは、家や木の作品。
 赤や青、緑など、三角屋根の色がひとつひとつ違い、デザインもそれぞれ違って、おとぎの国のようで楽しいです。

 下に敷いてあるロンドンの地図はたまたま自宅にあったものを拡大コピーしたのだとかで、あまり意味はないとのこと。

 さて、会場の壁際のテーブルには、陶人形が並んでいます。

 また壁には、それらを撮った写真プリントも何枚も貼ってあります。壁面がさびしいので、貼ったとのこと。 


 この2体には「海に陽が沈むとき」という題がついています。
 結婚50年で旅に出た夫婦が海で「きれいだなあ」と言い合っている場面を想像して作ったのだそうです。


 次の画像は、以前京都に住んでいた人らしい、「きもの組合」というシリーズ。
 和服を着た猫ですが、それぞれ「出町柳さん」「伏見桃山さん」「貴船さん」「八坂さん」など京都の地名がついています。

 このほか「モグ太」「モグ吉」「モグ左衛門」のモグラ三兄弟、昭和の歌手のようなふるい感覚を出した「春と夏のあいだ」など、ユニークな作品が並んでいます。
 土というのも素材のひとつだと思えば、こういう作品に取り組む人がいても、ぜんぜんオッケーなのではないでしょうか。

 前田さんは「美工展」に出品していた時期があり、2013年には会友に推挙されています。


 なお、おなじ会場では30日まで「土を愉しむ 三橋美枝子うつわ展 vol.5」も開催されています。

 こちらは土味を生かしたやわらかな色合いの片口や茶碗など、一般的な陶芸展になっています。


2019年4月25日(木)~29日(月)午前11時~午後5時
石の蔵ぎゃらりぃはやし(札幌市北区北8西1)


第37回美工展 (2010)


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