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苫小牧の小さな旅。2019年5月12日(3)

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(承前)

 バス停「ウトナイ団地」から三星ウトナイ店まではだいぶ歩くが、同店からバス停「ウトナイ湖」まではすぐである。
 ただ、この停留所は、新千歳空港と苫小牧駅を結ぶ路線(千歳空港線)は止まるけれど、札幌と苫小牧を結ぶ高速都市間バスは経由しない。

 さらに、千歳空港線は1時間に1本程度しかないので、乗り遅れたら大変である。

 やって来たのは、普通の路線バス。
 数人しか客がいないのも、地方都市のバスにありがちなことだ。

 ウトナイ湖を出たバスは「ウトナイ団地」を通り、都市間高速バスよりもさらにウトナイの新興住宅地の奥深く分け入り、沼ノ端駅前を経由して、国道36号に戻る。

 20分ほど乗り、跨線橋を越えて「出光カルチャーパーク」で降車。
 苫小牧市美術博物館へ。

 企画展「とまこまい考古コレクション -縄文からトーチカまでー」(~6月23日)はさっと流して、特集展示「植物細事記 -身近な木々の一年を辿るー」(同)を見る。

 孫田敏さんという方が、カメラではなく、スキャナーで植物を写し取ったもの。
 コナラやタンポポ(画像はミズナラ)などの花や葉などが、デジタルデータ化され、2倍ないし4倍の大きさでプリントアウトされている。

 これはこれで
「背景が黒いボタニカルアート」
のようで、美しい。
 スキャン画像なので、ボタニカルアートに比べて個々の正確さでは疑問の介在する余地がない。
 一方で、ボタニカルアートは、虫食いなどをうまく捨象して、平均的あるいは理想的な外観を描くことができる。

 もっとも、個人的には、スキャニングにせよボタニカルアートにせよ、いかにも近代西洋の発想と思える。
 周囲の環境と切り離した植物の個体を研究し描写しても、限界があるだろうし、果たして本来の植物の研究になるのか、疑問だ。
 なので、この展示の説明パネルに、カルチャーパークで実際の植物を探してみてくださいーという意味の記述があったのは、まったく正しいと言うべきだろう。

 中庭の、半谷学さんの展示については別項で。
 

2019年4月27日(土)~6月23日(日)午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)
苫小牧市美術博物館(苫小牧市末広町3)




・道南バス「出光カルチャーパーク」から約320メートル、徒歩5分

・JR苫小牧駅から約1.7キロ、徒歩22分


(この項続く) 

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