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山本一也「碇」 苫小牧の野外彫刻(11)

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(承前)

 苫小牧市のサイト「苫小牧の野外彫刻」には

 「苫小牧工業高校の発祥の地を永久に残そうと同校同窓会が1988年に建立」

とあります。

 素材は白御影石。
 何かと何かをむすぶ錠のようにも見える、力強い作品です。

 山本一也さんは1931年(昭和6年)生まれ、97年歿。
 石の彫刻家としては、道内でも草分け的存在です。

 かつて札幌彫刻美術館が1982年から毎年開いていた「北の彫刻展」では常連の出品者でした。
 札幌芸術の森が開いた「北の創造者たち'89 石の造形6人展」にも選ばれ「アンパイヤー」「等斜度」「鳥になった日」の3点を出品しています。

 全道展では1956年と58年に奨励賞を受け、60年に新会友。65年に会員に推挙されています。
 ちなみにこの65年は、小川清彦、神田比呂子、本郷暁の各氏と山本さんの計4人が同時に彫刻の会員に推挙という、珍しい年でした。
 
 また、自作以外にも、山内壮夫の代表作「石狩川の碑」で石材施工に携わるなど、縁の下の力持ち的な活動もしています。


 なお、苫小牧工業高校は、サイトによると、大正12年(1923)に創立されたそうです。
 北海道庁立苫小牧工業学校として設置認可とのことです。




(この項続く) 

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