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Channel: 北海道美術ネット別館
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■第5回一水会北海道出品者展~北見勢の健闘 (2019年4月23日~28日、千歳)

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(承前)

 一水会北海道出品者展が現在の形になってからとりわけ目立つのは、北見などオホーツク管内勢の出品者の健闘です。

 札幌から遠いことなどもあり、全国規模の団体公募展の支部展などでもオホーツクの画家たちの存在感は率直に言ってそれほど強くありません。
 この一水会は例外で、とくに冒頭画像の勝谷明男さんの冬の絵は、すばらしいの一言に尽きます。

 わたしたち北海道の人間は、勝谷さんの絵に描かれた雪や、日光の差し具合を見れば、それが、寒さのまだ厳しい1月なのか、わずかに寒さが緩んで雪が融け始める3月初旬なのか、直感的にわかります。
 氷点下20度なのか、それとも0度前後なのか、そんなことまで表現されているようです。

 冒頭の「雪積む街へ」(F120)は厳冬期でしょう。北見でここまで雪が積もるのは、めったにないことです。
(まっすぐにのびた歩道の先に、半分埋もれた北海道北見バスの停留所が顔を出しています)

 一方、2枚目の画像の「雪解道」(F100)は、題を見なくても、舗装路面の乾き具合が、強くなってきた初春の日差しを表現しています。真冬であれば、路面がここまで顔を出すことはありません。

 勝谷さんは、制作に写真を用いません。
 いわゆるフォトリアリズムではないのです。
 写真よりもリアルに、冬の実相に迫っているといえます。

 右側は「農場冬日」(F100)。

 このほか「オホーツク春隣」(F100)は、馬に乗る人々の列が遠くに見え、雪雲が近づいてくる晩冬のひとときを描いています。
 「暮秋」(F50)は珍しい秋の風景。高いところから田園を見下ろす、オホーツク地方にはあまりないロケーションです。



 阿部賢一さん「置き去りの流氷」(F100)。
 網走などの海岸には春先、このように流氷の一部が置き去りにされていることがあります。海はとっくにあけているのに、不思議な光景で、地元の人ならではのモティーフといえそうです。
 筆者は5月初旬に、海岸で流氷に触れたことがあります。

 ほかに
「海辺の廃屋」(F100)
「初冬オホーツク(北浜)」(F50)。


 このように、オホーツクに根ざし、オホーツクの自然と風土をじっくりと描き続ける一群の画家たちがいることを、札幌などの人にももっと知ってもらいたいと、思うのでした。
 安藤志津夫「逆さに落ちたトーチカ」(F100)「折れたトーチカ」(F100)「ずれ落ちたトーチカ(F60)」
 岡崎公輔「山桜」(P120)「大地浅春」(F100)「麦畑」(F80)



2019年4月23日(火)~28日(日)午前10時~午後6時(最終日~午後3時)、金曜休み
千歳市民ギャラリー(千代田町5)


北見の「GROUP斜面」がなんと第500回展!
第50回記念オホーツク美術展 (2012)
北見・現代写実の眼 展(2012、画像なし)

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